【2025】Amazonレビューの開示請求方法は?開示請求の流れ・注意点を弁護士が解説
Amazonに商品を出品すると、購入者などからレビューがつくことがあります。このレビューは他のユーザーが商品を購入する際に参考とされることも多く、よいレビューが多ければ購入を検討しているユーザーの背中を押すことになるでしょう。
その反面、問題のあるレビューや誹謗中傷ともいえるレビューが投稿されることもあり、その場合には開示請求が選択肢にあがります。
では、Amazonレビューへの開示請求とは、どのような手続きなのでしょうか?また、開示請求をする際は、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?今回は、Amazonレビューへの開示請求の概要や開示請求の目的、開示請求をする流れや注意点などについて弁護士がくわしく解説します。
なお、当法律事務所「たきざわ法律事務所」は、インターネット上での誹謗中傷トラブルの解決について豊富な対応実績を有しています。Amazonレビューへの開示請求をご検討の際は、たきざわ法律事務所までご相談ください。
目次
Amazonレビューへの開示請求とは
Amazonレビューへの開示請求とは、Amazonレビューの投稿者を特定するための情報を開示するよう、Amazonや投稿者が接続に使ったプロバイダ(Softbankなど)に対して求めることです。
とはいえ、Amazon社やプロバイダに直接開示を求めても、開示に応じてもらえる可能性はほとんどありません。無暗に開示に応じれば、投稿者側から開示をしたAmazon社などに対して損害賠償請求などがなされるおそれがあるためです。
そのため、Amazonレビューへの開示請求は、原則として裁判手続きによって行います。
Amazonレビューに開示請求をする目的
Amazonレビューへの開示請求をするには、正当な目的が必要です。たとえば、「住所を特定して相手に嫌がらせをするため」や「相手を特定してSNSに晒すため」などの目的で開示請求することはできません。
では、開示請求をする「正当な目的」とはどのようなものなのでしょうか?ここでは、開示請求の目的を2つ解説します。
投稿者に損害賠償請求をする
1つ目は、Amazonレビューの投稿者に対して損害賠償請求をすることです。Amazonレビューの投稿によって権利侵害がされた場合には、投稿者に対する損害賠償請求が可能です。
とはいえ、相手が誰であるかわからなければ、損賠外相請求をすることはできません。そこで、損害賠償請求の「準備」として開示請求を行います。
投稿者を刑事告訴する
2つ目は、投稿者を刑事告訴することです。
Amazonに投稿されたレビューが刑法上の侮辱罪や名誉毀損罪、脅迫罪、業務妨害罪などの罪にあたるものである場合、投稿者を刑法上の罪に問うことが検討できます。とはいえ、よほど大々的かつ悪質なものである場合を除き、これらの罪について警察などが独自に捜査を開始する可能性は高くありません。
なかでも、侮辱罪や名誉毀損罪は被害者側からの告訴がなければ犯人を罪に問えない「親告罪」とされているため、相手を罪に問いたい場合は告訴が必須です。
刑事告訴をするために、本来は相手をあらかじめ特定する義務まではありません。しかし、名誉毀損などの罪で告訴をしたいのであれば、スムーズな告訴受理のため可能な限り事前に相手を特定しておくとよいでしょう。
なお、相手が初犯であり事案も重大ではない場合は刑事告訴が受理されても起訴には至らない可能性も高いうえ、起訴がされ有罪となっても執行猶予がつく可能性も低くありません。つまり、相手に前科を付けられない可能性も高いということです。
そのため、費用(労力)対効果の面から、刑事告訴までをすべきか否かは弁護士に相談したうえで慎重に検討することをおすすめします。
Amazonレビューの開示請求をする流れ
Amazonレビューへの開示請求は、どのような流れで進めればよいのでしょうか?ここでは、基本的な流れについて解説します。
問題のレビューの証拠を残す
Amazonに問題のあるレビューが投稿されたことに気付いたら、その場ですぐに投稿の証拠を残しましょう。なぜなら、開示請求や損害賠償請求をするには、権利侵害があった証拠が必要となるためです。
証拠をきちんと残さないうちに投稿者自身がAmazonレビューを消したり、他のユーザーからの報告によってレビューが消されたりすれば、開示請求などをすることはできなくなります。
Amazonに投稿された問題のあるレビューの証拠は、スクリーンショットの撮影で残すことが一般的です。スクリーンショットは、レビューの全文と、そのレビューのURLが掲載されるように撮影してください。レビューのURLは、レビューのタイトルをクリックすると表示されます。
弁護士へ相談して対応を検討する
問題のあるAmazonレビューについて証拠を残したら、早期に弁護士へ相談しましょう。弁護士へ相談することで、そのレビューについて開示請求ができそうか否か、また損害賠償請求ができそうな場合においてどの程度の賠償金が適正であるかなどが想定でき、その後の対応を検討することが可能となります。
ただし、インターネット上での誹謗中傷トラブルは比較的新しいトラブル類型であり、ここに力を入れているか否かは弁護士事務所によって異なります。そのため、相談をする際は、インターネット上での誹謗中傷トラブルについて実績が豊富な事務所を選択するとよいでしょう。
たきざわ法律事務所は誹謗中傷トラブルへの対応について豊富な実績を有しており、Amazonレビューにまつわるトラブルについても多くの対応実績があります。悪質なAmazonレビューについて開示請求をご検討の際は、たきざわ法律事務所までご相談ください。
Amazonレビューの開示請求をする
弁護士へ相談したうえでAmazonレビューについて開示請求を行うことになったら、実際に開示請求の手続きを進めます。開示請求は、次の2段階で行うのが原則です。
- Amazon社に開示請求をして、投稿のIPアドレスなどの情報を得る
- 「1」で得た情報をもとに投稿者が投稿に使ったプロバイダ(Softbankなど)に開示請求をして、プロバイダ契約者の住所や氏名などの情報を得る
冒頭で解説したように、これらの開示請求は原則として裁判手続きによって行います。
なお、プロバイダ制限責任法が改正されたことにより、これら2段階の請求を一つの手続きにまとめて行える「発信者情報開示命令」も創設されました。一方で、従来の「発信者情報開示請求」も引き続き選択できます。
これらにはそれぞれメリット・デメリットが存在し、いずれが適しているかは状況によって異なります。そのため、弁護士へ相談したうえでそのケースに合った手続きを選択するとよいでしょう。
損害賠償請求や刑事告訴を行う
開示請求によって投稿者の身元が特定できたら、損害賠償請求や刑事告訴などを行います。
損害賠償請求をする場合、まずは弁護士から相手に対して書面を送って請求することが原則です。この段階で相手が謝罪し、真摯に支払いに応じれば、この時点で解決となります。
一方で、相手が請求を無視するなど不誠実な対応をする場合には、裁判上での請求に移行します。裁判に移行した場合は裁判所が損害賠償の可否や賠償額などを決め、裁判で支払いが確定したにもかかわらず相手が賠償金を支払わない場合には強制執行の対象となります。
また、刑事告訴をする場合には、警察などの捜査機関に告訴状を提出します。警察によって捜査がなされ、必要に応じて投稿者が逮捕されます。
その後は、検察に身柄が送られ検察でも操作がされたのち、起訴か不起訴(刑事裁判を開始せず、事実上の無罪放免とすること)かが決まります。起訴されると、刑事裁判が開始され、相手の有罪・無罪や具体的な量刑が決まるという流れです。
Amazonレビューについて開示請求をする際の注意点
Amazonレビューについて開示請求をする際は、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?ここでは、主な注意点を3つ解説します。
開示請求が認められるには法的な根拠が必要である
1つ目は、開示請求が認められるには、法的な根拠が必要であることです。
Amazonに投稿されたレビューが単に「不愉快」というだけでは、開示請求は認められません。開示請求が認められるためには、投稿によって権利侵害がなされたという法的根拠が必要です。
とはいえ、権利侵害の有無を自身で判断することは容易ではないでしょう。そのため、無理に自身で判断しようとするのではなく、まずは弁護士に相談することをおすすめします。弁護士へ相談することで開示請求の可否などの見通しが立てられ、その後の対応を検討しやすくなります。
嫌がらせ目的での開示請求はできない
2つ目は、嫌がらせを目的とした開示請求はできないことです。
先ほど解説したように、開示請求は正当な目的で行わなければなりません。正当な目的の代表例は、損害賠償請求や刑事告訴などです。投稿者への嫌がらせや報復を目的とした開示請求はできないため、目的を誤らないようご注意ください。
開示請求には期限がある
3つ目は、開示請求には期限があることです。
Amazonに問題のあるレビューが投稿された場合、できるだけ早期に対応に取り掛かることをおすすめします。なぜなら、一定期間が経過すると投稿のログが消えてしまうためです。
ログが消えてしまうということは、たとえ開示請求が認められても開示を受けたい情報をAmazon側が持ち合わせていないため、開示を受けられなくなるということです。
ログの保存期間はプロバイダによって異なるものの、3ヶ月から6ヶ月程度が目安とされています。そのため、ログの保存期間から「逆算」をして、これに間に合うように開示請求を進めることが必要です。
Amazonレビューでお困りの際はたきざわ法律事務所へご相談ください
Amazonに投稿された悪質なレビューでお困りの際は、たきざわ法律事務所へご相談ください。最後に、たきざわ法律事務所の主な特長を4つ紹介します。
インターネット上での誹謗中傷トラブルに強い
たきざわ法律事務所はインターネット上での誹謗中傷トラブルの解決に力を入れており、Amazonレビューへの開示請求にも対応しています。そのため、安心してお任せいただけます。
状況に応じた最適な解決策を提案する
たきざわ法律事務所は決まった解決策に当てはめるのではなく、状況に応じた最適な解決策を提案します。その結果、ご相談者様やご依頼者様から、「相談してよかった」「依頼してよかった」との有り難いお声を多くいただいています。
難しい言葉を使わない
弁護士へせっかく相談しても、難しい言葉を並べられて十分に理解できなければ、不満や不安が残ってしまうことでしょう。たきざわ法律事務所はできるだけ難しい言葉を使わずにアドバイスをするため、そのような心配は不要です。
フットワークが軽い
たきざわ法律事務所の弁護士は比較的年齢が若く、フットワークの軽さを自負しています。
「できるだけ早く相談したい」や「夜間しか相談できない」」などのご要望にもできるだけお応えしているため、ご希望がある際はお気軽にお伝えください。
まとめ
Amazonレビューに対する開示請求の概要や開示請求の主な目的、開示請求の流れ、注意点などを解説しました。
Amazonに悪質なレビューが投稿され権利侵害がされた場合、開示請求が選択肢に入ります。開示請求とは、Amazon社や接続プロバイダに対して投稿者の情報を開示するよう請求するものであり、裁判手続きによって行うことが基本です。
とはいえ、開示請求は裁判所に申し立てたからといって、必ずしも認められるとは限りません。開示請求を成功させるには、証拠を十分残すことに加え、レビューの内容が権利侵害に当たる事実が必要です。
この判断を自身で行うのは容易ではないため、不愉快なレビューが投稿されたらまずは弁護士へ相談すると良いでしょう。弁護士へ相談することで、そのケースにおける開示請求の可否などが判断でき、具体的な対応を検討することが可能となります。
たきざわ法律事務所はインターネット上での誹謗中傷トラブルの解決に豊富な実績を有しています。Amazonに悪質なレビューが投稿されてお困りの際は、たきざわ法律事務所までお早めにご相談ください。