建築中に建築会社が倒産した際にとるべき対応は?対処法を弁護士が解説
建築会社の倒産は増加傾向にあり、建築を依頼している建築会社や工務店、ハウスメーカーが途中で倒産する可能性もゼロではありません。建築途中で建築会社などが倒産すると、施主にも大きな影響が生じます。
では、建築途中に建築を依頼している建築会社などが倒産したら、どうなるのでしょうか?また、建築途中で建築会社などが倒産した場合、施主はまず何をすればよいのでしょうか?
今回は、建築中に建築会社などが倒産した場合の影響や対処法、建築会社などの倒産に備えて講じたい対策などについて弁護士がくわしく解説します。
なお、当事務所(たきざわ法律事務所)は不動産法務に特化しており、建築途中に建築会社や工務店、ハウスメーカーが倒産したケースについても豊富なサポート実績を有しています。建築を依頼している建築会社などが倒産して対応にお困りの際は、たきざわ法律事務所までお気軽にご相談ください。

目次
建築会社の倒産傾向
株式会社帝国データバンクの調査によると、2025年中における建設業の倒産件数は2,021件でした。倒産件数は4年連続の増加であり、過去10年で最多の件数です。
建築会社の倒産の背景には資材の高騰や人件費の増加などのコストアップがあり、今後も倒産件数が高止まりする可能性があります。そのため、万が一の場合に備え、建築を依頼する段階から対策を講じることをおすすめします。
参照元:「建設業」の倒産動向(2025年)(帝国データバンク)

建築会社やハウスメーカー、工務店が倒産するとどうなる?
建築会社やハウスメーカー、工務店が倒産すると、その後はどうなるのでしょうか?ここでは、倒産後の一般的な流れを解説します。
- 破産管財人が選任される
- 破産管財人が債務を清算する
破産管財人が選任される
建築会社などの破産手続開始決定がなされると、裁判所によって破産管財人が選任されます。
破産管財人とは、「破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者」です(破産法2条12項)。つまり、破産した会社の役員などの代わりに、会社の清算手続きを担う人ということです。
破産管財人が債務を清算する
破産管財人が選任されると、破産管財人が倒産した会社の清算手続きを行います。平たく言えば、清算手続きは会社に残っている財産を換価したうえで、換価によって得たお金を会社の債権者(会社からお金を返してもらう権利・支払ってもらう権利を有する人)に分配することです。
ただし、会社が破産に至っている以上、すべての財産を換金してもすべての債権者に満額の返済をするのは困難でしょう。そのため、倒産した建築会社や工務店に前払金を支払っており、本来であれば一部の返金が受けられる状況であっても、満額の返金は受けられない可能性が高くなります。

建築中に建築会社やハウスメーカーが倒産した場合にまずやるべきこと
建築中に建築会社や工務店、ハウスメーカーが倒産した場合、まずはどのように対処すればよいのでしょうか?ここでは、建築途中に建築会社などが倒産した場合の初期対応を解説します。
- 弁護士に相談する
- 現場の養生を検討する
- 支払済みの報酬を確認する
- 出来高を確認する
弁護士に相談する
建築途中に建築会社や工務店、ハウスメーカーが倒産した場合、無理に自分で対応しようとするのはおすすめできません。対応を誤ると損失が拡大したり、不利益を被ったりするおそれがあるためです。
そのため、建築中に建築会社などが倒産したら、まずは弁護士にご相談ください。相談先には、不動産に関する法務に強い弁護士を選ぶのがおすすめです。
たきざわ法律事務所は不動産法務に特化しており、建築途中で建築会社などが倒産した場合の対応についても豊富な実績を有しています。お困りの際は、たきざわ法律事務所までお早めにご相談ください。
現場の養生を検討する
次に、現場の養生を検討します。
建築会社が建築途中で倒産した場合、現場が中途半端な状態で放置されていることも多いでしょう。倒産した建築会社が最低限の誠意として養生を済ませている場合もある一方で、保護がされていない場合もあります。
その場合、そのままにしておくと資材などの劣化が進み、強度の低下などを招きかねません。そのため、早急に現場の状態を確認し、必要に応じて現場の養生を行いましょう。
支払済みの報酬を確認する
続けて、支払済みの報酬額を確認します。
「支払済みの報酬」が「その時点までの出来高に相当する部分の報酬」よりも多い場合には、その差額分の返還を請求できる可能性があるためです。ただし、建築会社が破産していることから、全額の返金を受けるのは難しい可能性も考慮しておく必要があるでしょう。
反対に、「支払済みの報酬」が「その時点までの出来高に相当する部分の報酬」よりも少ない場合には、差額分について追加で報酬を支払う必要が生じる可能性もあります。いずれにしても、これらの対応を検討するため、支払済みの報酬額を確認しておきましょう。
出来高を確認する
併せて、出来高を確認します。
出来高の査定は、本来であれば倒産した建築会社側で行うべきものです。しかし、先ほど解説したように、支払済みの報酬とその時点までの出来高によってその後の対応が異なることとなり、施主側と倒産した建築会社側では利益の相反が生じます。
そのため、仮に相手方の査定に問題があった際に誤りを主張できるよう、施主側でも出来高を査定しておくことをおすすめします。出来高の査定は、建築士に依頼をして行うのが一般的です。

建築中の建築会社倒産に備える対策
先ほど解説したように、建築途中で建築会社などが倒産すると、多くの不利益が生じます。では、施主は依頼した建築会社などの倒産に備えてどのような対策を講じればよいのでしょうか?ここでは、主な対策を2つ紹介します。
- 建築会社の財務状況を確認する
- 住宅完成保証制度の利用を検討する
なお、たきざわ法律事務所は建築会社などの倒産に備えた事前の対策についてもご相談いただけます。建築途中で建築会社などが倒産する事態に備えて対策を講じたいとお考えの際は、たきざわ法律事務所までお気軽にご相談ください。
建築会社の財務状況を確認する
1つ目は、建築を依頼する前にその建築会社や工務店、ハウスメーカーの財務状況を確認することです。
建築会社などの財務状況がよくない場合、建築途中に倒産する可能性があります。このような事態を避けるため、特に重要な物件の建築を依頼するにあたっては、可能な限り事前に財務状況を確認したうえで依頼する会社を選定するとよいでしょう。
住宅完成保証制度の利用を検討する
2つ目は、「住宅完成保証制度」の利用を検討することです。
住宅完成保証制度とは、建築会社や工務店、ハウスメーカーの倒産などで工事が継続できなくなった場合に、発注者が最小限の追加負担で住宅を完成できるようにサポートする仕組みのことです。具体的には、建築会社などが倒産した際に次のサポートなどが受けられます。
- 前払金の損失や追加で必要な工事費用(増嵩工事費用)のうち一定割合が保証される
- 発注者の希望により、工事を引き継ぐ事業者のあっせんが受けられる
ただし、住宅完成保証制度を利用できるのは、次の要件をいずれも満たす場合だけです。
| 発注者の要件 | 個人であること |
| 対象の物件の要件 | 新築一戸建住宅であること(併用住宅も可) |
| 受注者(建築会社側)の要件 |
|
これらの要件を満たす場合には、住宅完成保証制度の利用を積極的に検討するとよいでしょう。
また、依頼を検討している建築会社などが中小事業者である場合、この住宅保証機構に登録されているか否か(つまり、住宅完成保証制度が利用できるか否か)が、財務状況が健全である事業者であるか否かの1つの目安となります。

建築会社が倒産してお困りの際は、たきざわ法律事務所にお任せください
建築中に建築会社やハウスメーカー、工務店などが倒産してお困りの際は、たきざわ法律事務所までご相談ください。ここでは、当事務所の主な特長を4つ紹介します。
- 不動産法務に強い
- フットワークが軽い
- 難しい言葉を使わずにサポートする
- 状況に応じた最適な解決策を提案する
不動産法務に強い
たきざわ法律事務所は不動産会社や不動産オーナー様の味方であり、不動産法務に特化しています。建築途中に建築会社などが倒産したケースについても豊富な対応実績を有しているため、安心してお任せいただけます。
フットワークが軽い
たきざわ法律事務所は、フットワークの軽さを自負しています。「できるだけすぐに相談したい」、「夜間しか相談できない」などのご要望にも可能な限りお応えするため、ご要望がある際はご相談の予約時にお伝えください。
なお、当事務所は顧問契約にも対応しています。顧問契約をいただいたクライアント様にはより優先的な対応が可能となるため、日頃から弁護士に気軽に相談したいとご希望の不動産会社様や不動産オーナー様は顧問契約もご検討いただくことをおすすめします。
難しい言葉を使わずにサポートする
弁護士に相談しても難しい言葉を並べられてしまうと、結局何をすればよいのか分からず困惑してしまうことでしょう。
たきざわ法律事務所は、できるだけ難しい言葉を使わないサポートを心掛けています。そのため、ご相談いただくことで、「今、何をすべきか」や「今、何を検討すべきか」などが明確になります。
状況に応じた最適な解決策を提案する
たきざわ法律事務所はトラブルを型にあてはめて解決をはかるのではなく、状況に応じた最適な解決策を個別に検討して提案しています。そのため、ご相談・ご依頼をいただいたクライアント様からは、「相談してよかった」や「依頼してよかった」とのありがたいお声を数多くいただいています。

建築会社の倒産に関するよくある質問
最後に、建築会社などの倒産に関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。
建築会社の倒産が増加している背景は?
建設業で倒産件数が増加している背景には、資材の高騰や人件費の上昇に価格の転嫁が追い付いていない状況があると考えられます。
建設業の倒産は今後も高止まりする可能性があるため、建築途中での倒産に備えて対策を講じる必要があるでしょう。
建築会社が倒産したら支払済みの工事代金は返金される?
建築途中で建築会社などが倒産した場合、支払済みの工事代金は返還されない可能性があります。
まず、支払済みの工事代金がその時点までの出来高を下回っている場合、工事代金の返還は受けられません。反対に、出来高相当分に対して不足する報酬額について、追加の支払いを求められる可能性もあるでしょう。
一方で、支払済みの工事代金がその時点までの出来高を上回っている場合、その差額相当分の債権(お金を返してもらう権利)を持つことになります。しかし、建築会社などが倒産している以上は他にも多くの債権者がいる可能性が高いため、差額相当分の全額の返還を受けるのは難しいでしょう。

まとめ
建築途中に依頼している建築会社やハウスメーカー、工務店が倒産した場合に生じる事態や建築中に建築会社などが倒産した場合の初期対応、建築中に建築会社などが倒産する事態に備えて講じたい対策などを解説しました。
依頼している建築会社などが建築中に倒産すると、破産管財人が選任され、その破産管財人により会社の清算がなされます。依頼している工事は途中でストップし、前払金についても全額の返還を受けるのが難しくなるでしょう。
建築会社の倒産に対して、無理に自分で対応するのはおすすめできません。依頼途中に建築会社が倒産したことに気づいたら、まずは早期に弁護士にご相談ください。
弁護士に相談したうえで現場の状況や支払済みの報酬額、出来高などを確認することで、具体的な対応の検討が可能となります。また、建築会社の倒産に備え、住宅完成保証制度を利用することも検討するとよいでしょう。
たきざわ法律事務所は不動産業界の法務に特化しており、建築途中で建築会社などが倒産した場合の対応についても豊富なサポート実績を有しています。建築途中に建築会社やハウスメーカーなどが倒産して対応にお困りの際は、たきざわ法律事務所までまずはお早めにご相談ください。


