たきざわ法律事務所

【2022】土地の境界立会いとは?トラブル対処法と予防法を弁護士がわかりやすく解説

この記事を書いた弁護士は…

 

 

 

 

 

土地の境界立会いとは、測量をして隣地との境界線を確定するにあたって、隣地の所有者に立ち会ってもらうことです。

 

では、土地の境界立会いはどのような場面で必要となるのでしょうか?また、境界立会いにまつわるトラブルを予防するためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?

 

今回は、土地の境界立会いについて弁護士がわかりやすく解説します。

土地の境界立会いとは

 

土地の境界立会いとは、土地の境界を確定するにあたって、隣地所有者に立会いを求めることです。

 

土地の面積は不動産の全部事項証明書(登記簿謄本)に書かれていますし、土地の位置や形も公図に示されています。しかし、何らかの理由で登記上の面積と現地を実測した面積に誤差が生じている場合があるほか、以前打ち込んだ境界を示す杭が風化したり移動したりしてずれてしまっている場合などが存在します。

 

このような状態をそのままにしておけば、後のトラブルの原因となるかもしれません。

 

中でも、もっともトラブルの危険性があるのは、売買のタイミングです。土地の買い手としては登記上の面積である前提で購入したところ、後に実際に計測をしてみたらそれより狭く、予定していた建物が建築できなかったとなれば、損害賠償請求などに発展する可能性があるでしょう。

 

このようなトラブルを避けるため、売買の前などに測量をして、境界の確定を行います。

 

しかし、土地は通常単独で存在するものではなく、隣地が存在します。そのため、ある土地の所有者のみで、勝手に土地の境界を定めることはできません。

 

そこで、土地の境界を確定するにあたっては、隣地所有者の立会いが必要とされます。境界を確定する際に隣地所有者に立ち会ってもらい、隣地所有者とともに境界確認書に署名捺印を行います。これが、土地の境界立会いです。

 

なお、土地の境界確定を自分で行ってはいけないわけではないものの、測量に関する専門的な知識と測量のための道具が必要となるため、自分で行うことはほとんどありません。一般的には、測量士や土地家屋調査士などの専門家が行います。

土地の境界立会いが必要となる主な場面

 

土地の境界立会いを求められているということは、隣地所有者が土地の測量を必要としているということです。

 

では、土地の測量が必要となるのは、どのような場面なのでしょうか?土地の境界立会いを求められる主な場面は、次のとおりです。

 

なお、いずれにしても「勝手に自分の土地を広げてやろう」など違法な目的で境界立会いを求められることはほとんどありません(専門家側が引き受けません)ので、さほど警戒する必要はないでしょう。

 

土地の売却

 

土地の境界立会いを求められた場合には、隣地所有者が土地の売却を検討している可能性があります。

 

土地の面積は登記簿謄本に記載されているものの、実際に測量をしてみると、多少の誤差が生じるケースが少なくありません。仮に登記簿上の面積である200.00平方メートルであるとの前提で売買契約を締結したものの、実際には199.50平方メートルしかなかったとなれば、購入者との間でトラブルに発展する可能性があるでしょう。

 

誤差の大きさによっては、購入者が建てようとしていた建物が建てられないような事態も生じてしまうかもしれません。また、売却前にきちんと土地を測量することで、売却価格が向上する効果も規定できます。

 

そこで、売却をする前にきちんと土地の測量をして、境界を明確にしておくケースが多いのです。

 

分筆登記

 

土地の境界立会いを求められた場合には、隣地所有者が分筆登記を検討している可能性があります。分筆登記とは、たとえば「1丁目100番」という広めである1筆の土地を、「1丁目100番1」と「1丁目100番2」という2筆以上の土地に分けて登記をすることです。

 

たとえば、隣地所有者が亡くなり長男と二男が分筆後の土地をそれぞれ相続したい場合や、分筆したうえで別の相手に売却したい場合などに行うことが多いでしょう。

 

分筆後の土地を正しい面積で登記するため、分筆登記をするにあたっては測量をしなければなりません。このような事情から、境界立会いを求められる場合が考えられます。

 

ブロック塀などの建設

 

隣地所有者が境界付近にブロック塀などを建築する目的で測量するにあたり、境界立会いを求められる場合があります。

 

万が一越境して塀などを建築してしまえば、後に越境が判明した際に、取り壊しなどが必要となるかもしれません。そのような事態を避けるため、ブロック塀などの建築前にきちんと測量をしておく場合があります。

 

境界標の復元

 

土地の境界を示す境界標があったとしても、その後の年月の経過などで朽廃してしまったり移動してしまったりする場合があります。このような場合に、境界標を復元する目的で測量をし、境界立会いが求められるケースも存在します。

 

土地の境界立会いを受け入れる主なメリット

 

隣地所有者から土地の境界立会いを求められた場合には、受け入れた方が良いでしょう。なぜなら、境界立会いを受け入れることによるデメリットは当日の時間を10分から30分程度要することのみである反面、メリットが小さくないためです。

 

土地の境界立会いを受け入れる主なメリットは、次のとおりです。

 

費用がかからず測量してもらえる

 

境界立会いをして測量をしてもらうことにより、無料で土地の測量図面が手に入り、土地の境界が明確となります。これにより、今後自己の土地について測量が必要となった際においても、今回確定した部分については再度境界確定をする必要がありません。

 

なお、土地の境界確定や境界標の打ち込みにかかる費用は、本来は境界をまたいだ土地の所有者が共同で負担をするものです。しかし、自己の側の都合で境界確定が必要となった際に、特に今境界確定の必要がない隣地所有者に費用負担を求めることは容易ではなく、費用負担を求めればトラブルの原因となりかねません。

 

そのため、現実的には、測量を依頼した側が費用を負担することが多いでしょう。

 

自分の土地の価値が上がる

 

将来的に土地を売却する場合、土地の境界があいまいであれば、その分だけ価値が下がってしまいます。

 

一方、境界立会いに応じて土地の境界を明確にしておけば、買い手が安心して購入することができるため、自分の土地の価値が向上するでしょう。

 

隣地所有者との関係が良好に保たれる

 

土地の境界確定が必要な事情が生じているにもかかわらず隣地所有者に立会いを拒否されてしまえば、非常に困った事態となってしまいます。そのため、仮に立会いに応じなければ、遺恨が生じてしまう可能性があるでしょう。

 

隣地所有者との間に遺恨が生じてしまえば、後にこちら側の都合で境界確定の必要性が生じた際に立会いに応じてもらえないなど「仕返し」をされ、不都合が生じてしまうかもしれません。

 

隣地所有者が境界立会いを拒否した場合のトラブル対処法

 

土地の境界立会いは、隣地所有者と面識がある場合にはまず自分から概要の連絡をして、その後土地家屋調査士が日程調整をしてくれることが一般的です。

 

では、土地の境界立会いのお願いをしたにもかかわらず隣地所有者が立会いを拒否している場合や、隣地所有者が境界確認書への押印を拒否している場合などには、どのように対処すれば良いのでしょうか?主な対処方法は、次のとおりです。

 

筆界特定制度を利用する

 

1つ目の対処方法は、筆界特定制度の利用です。筆界特定制度とは、筆界特定登記官が、外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて現地における土地の境界(筆界)の位置を特定する制度です。

 

この制度を利用することで、公的な判断によって土地の境界を明らかにすることが可能となります。

 

単に「相手が連れてきた土地家屋調査士などが信用できない」などの理由で押印を拒否している場合には、この方法で解決できる可能性が高いでしょう。筆界特定制度の標準処理期間は、6ヶ月程度です。

 

境界確定訴訟で争う

 

境界確定訴訟とは、裁判所に土地の境界を決めてもらう訴訟手続きです。隣地所有者との関係が悪化している場合や、筆界特定制度をもってしてもいずれかが納得しない場合などには訴訟へと移行します。

 

筆界特定制度の利用よりも長い期間がかかる傾向にあり、解決までにかかる期間は1年から1年半くらいが目安となるでしょう。

 

土地の境界立会いでトラブルにならないための注意点:依頼者側

 

自身側の都合で隣地所有者に境界立会いを求める必要が生じた場合、トラブルにならないためにはどうすれば良いのでしょうか?主な注意点は、次のとおりです。

 

あらかじめ隣地所有者に事情を説明する

 

1つ目のポイントは、あらかじめ隣地所有者に事情を説明することです。

 

土地の境界立会いが必要となる際には、測量をする土地家屋調査士の側で日程調整をしてくれることが多いでしょう。しかし、いきなり専門家が訪ねてきて境界立会いなどの話をされてしまうと、場合によっては「勝手に土地を広げとしている」という誤解や「うちに対して訴訟をしようとしている」という誤解などを与え、警戒されてしまうかもしれません。

 

一度警戒されてしまうと、この警戒を解くのは困難です。そのため、あらかじめ測量する目的や今後立会いをお願いすることなどを丁寧に話しておくと良いでしょう。

 

信頼できる専門家を選ぶ

 

境界立会いの日程調整などは、土地家屋調査士が間に入って行うことが一般的です。

 

ほとんどの土地家屋調査士はきちんとしているためさほど問題ではありませんが、万が一土地家屋調査士が隣地所有者に対して不遜と思われるような態度をとってしまえば、隣地所有者が態度を硬化させてしまう可能性があるでしょう。そのため、信頼できる専門家を選ぶことが大切です。

 

土地の境界立会いでトラブルにならないための注意点:隣地所有者側

 

境界立会いを求められた隣地所有者の立場としては、トラブルに発展しないよう、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?主なポイントは、次のとおりです。

 

相手を警戒しすぎない

 

先ほども解説したように、土地の測量に伴う境界立会いが必要となる理由は、隣地側の都合によるものです。違法に土地を広げたり相手の土地を奪おうと考えたりして行うようなものではありません。

 

いきなり測量などといわれると警戒してしまう場合もあるかと思いますが、通常はさほど警戒する必要はないでしょう。あまりに警戒しすぎてしまったり立会いを拒否し続けたりしてしまうと、隣地所有者との関係が悪化する可能性があります。

 

信頼できる専門家に立会いを依頼する

境界立会いでは専門家が測量を行い、最後にその場所が境界であることの確認書を取り交わします。この確認書には、土地の境界線をまたぐ双方の土地所有者の押印が必要です。

 

土地家屋調査士は国家資格者であり、依頼者の有利になるように勝手に境界をずらすようなことはありません。しかし、見慣れない書類の内容を自分だけで確認し、押印することに抵抗がある場合や不安を感じる場合もあると思います。

 

その場合には、弁護士や土地家屋調査士など信頼できる専門家に立会いを依頼することも一つでしょう。

 

 

最適解を提案します

 

最適解を提案します

 

まとめ

 

隣地所有者に土地の境界立会いを求める場合には、相手に誤解を与えないよう、境界確定が必要となっている理由などを丁寧に説明すると良いでしょう。また、境界立会いを求められた場合には、何か特段の理由がない限り、応じておくことをおすすめします。

 

しかし、それでもトラブルとなってしまう可能性は、ゼロではありません。その場合には、早期に弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。

 

たきざわ法律事務所では、境界立会いなど土地にまつわるトラブル解決に力を入れております。境界立会いなどでトラブルとなった場合などには、ぜひたきざわ法律事務所までご相談ください。

 

 

 

 

 

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サンカラ

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