【2023】Googleの口コミの削除依頼方法は?削除できる・できないケースを弁護士が解説
Googleを運用していると、自身が管理しているビジネスアカウントに不都合な口コミがされることがあります。
しかし、Googleに書き込まれた不都合な口コミは、ビジネスアカウントの管理者側の操作で削除したり非表示としたりすることはできません。
では、Googleに書き込まれた不都合な口コミを削除するにはどうすればよいのでしょうか?
今回は、Googleの口コミの削除依頼方法について詳しく解説します。
目次
Google マップから口コミの削除を依頼する方法
Google マップに投稿された不都合な口コミを削除するには、原則としてGoogleに削除依頼をして認められなければなりません。
はじめに、Google マップの表示から口コミの削除を依頼する方法を解説します。
なお、ここではパソコンを使い、Google Chromeから操作することを前提としています。
また、バージョンアップなどに伴って画面遷移が変更となる可能性もあるため、実際に削除依頼をする際は最新情報にご注意ください。
ステップ1:口コミ一覧を表示する
はじめに、Google マップ上で、削除を依頼したい不都合な口コミを表示します。
ステップ2:口コミ右側の3点リーダーをクリックする
口コミを表示すると、口コミの右上に3点リーダー(点が横に縦に3つ並んだ記号)が表示されます。
その、3点リーダーをクリックします。
ステップ3:「違法コンテンツを報告」をクリックする
3点リーダーをクリックすると、「口コミを共有」と「違法コンテンツを報告」の選択メニューが表示されます。
ここから、「違法コンテンツを報告」を選んでクリックします。
ステップ4:報告の理由を選択する
クリックすると、「口コミを報告」という画面が表示されます。
その口コミに問題があると考える理由を選択してください。
ここでは、次の選択肢が表示されます。
- 関連性のないコンテンツ:このビジネスでの経験とは関係ないクチコミ
- スパム:ボットまたは虚偽のアカウントからのクチコミ、あるいは広告かプロモーションを含むクチコミ
- 利害に関する問題:該当のビジネスまたは競合するビジネスと関係するユーザーが投稿したクチコミ
- 冒涜的な表現:汚い言葉、露骨な性描写、詳細な暴力描写を含むクチコミ
- いじめ、嫌がらせ:特定の人を個人的に攻撃するクチコミ
- 人種差別、ヘイトスピーチ:身元を理由に個人またはグループを中傷する表現を含むクチコミ
- 個人情報:住所や電話番号などの個人情報を含むクチコミ
- 役に立たなかった:この場所に行くかどうかを決めるのに関係ないクチコミ
このうち、該当する項目を選択します。
どれに該当するのかわからない場合は、Googleのガイドラインが参考となります。
ステップ5:「送信」を押す
項目を選択したら、「送信」を押して報告が完了します。
なお、こちらでは具体的なコメントなどを送ることはできません。
Googleビジネスプロフィールから口コミの削除を依頼する方法
次に、Googleビジネスプロフィールから口コミの削除を依頼する方法を解説します。
こちらは、そのビジネスアカウントの管理者のみが行うことのできる削除依頼方法です。
ステップ1:Googleビジネスプロフィールにログインする
はじめに、アカウントの管理権限を持っている者がGoogleビジネスプロフィールにログインして、ビジネスプロフィールを表示します。
ステップ2:右上の3点リーダーから「フィードバック送信」を選択する
「Googleに掲載中のあなたのビジネス」という表示の右端に3点リーダーが表示されますので、その3点リーダーをクリックしてください。
クリックするとメニューが表示されるので、その中から「フィードバック送信」を選択します。
ステップ3:「問題を報告」をクリックする
画面が遷移すると、「問題を報告」というメニューが表示されます。
こちらをクリックします。
ステップ4:「口コミの削除を管理する」を選択する
「問題を報告」をクリックすると、Googleに対して問題を報告するためのフォームが表示されます。
最上部にある「オプションを選択」をクリックし、表示された選択肢から「口コミの削除を管理する」を選択します。
ステップ5:説明を入力し送信する
削除したい口コミに関する問題点を簡潔かつ第三者にもわかりやすく記載します。
また、必要に応じて画像を添付することも可能です。
自分で記載することが難しい場合は、弁護士のサポートを受けることをおすすめします。
記載ができたら「送信」をクリックすることで、Googleへの削除依頼は完了です。
なお、たとえGoogleに口コミの削除依頼が認められても、削除依頼から削除までには1か月程度を要することも少なくありません。
しかし、この間に何度も削除依頼をするとGoogleのポリシーに違反してアカウントが停止されるリスクがあるため、削除依頼は何度も行わないよう注意が必要です。
Googleの口コミの削除依頼が認められるケース
Googleに削除依頼をしたからといって、都合の悪い口コミがすべて削除されるわけではありません。
Googleでは投稿のガイドラインを定めており、このガイドラインに反する口コミは削除が認められるとしています。
ここでは、口コミの削除依頼が認められる主なケース(Googleのポリシーに反するケース)を紹介します。
ただし、これのみを見ても削除依頼が認められるかどうか判断が難しいかもしれません。
その際は、Googleの口コミ削除依頼にくわしい弁護士へご相談ください。
虚偽のコンテンツ、偽装行為に該当する場合
1つ目は、虚偽のコンテンツや偽装行為に該当するコンテンツです。
たとえば、次のものがこれに該当します。
- 虚偽のエンゲージメント(実体験に基づかない投稿など)
- なりすまし
- 誤った情報
- 不実表示
不適切なコンテンツまたは行為に該当する場合
2つ目は、不適切なコンテンツや行為です。
たとえば、次のものがこれに該当します。
- ハラスメント
- ヘイトスピーチ
- 不適切なコンテンツ(明らかに意図的に挑発するようなコンテンツなど)
- 個人情報
- わいせつ、冒とく的な表現
- 性的描写が露骨なコンテンツ
- アダルト向けコンテンツ
- 暴力的または残虐なコンテンツ
- 制限されているコンテンツ(規制されている商品やサービスを購入できるランディングページへのリンクなど)
- 危険なコンテンツ(健康、安全、財産、動物、環境に対する深刻な物理的危害を及ぼすなど)
- 違法なコンテンツ(著作権侵害や露骨な暴力描写など)
- 子供の安全
- テロに関するコンテンツ
- 関連性のないコンテンツ
- 宣伝と勧誘
- 意味不明なコンテンツ、コンテンツの繰り返し(無意味な文字の羅列や複数アカウントからの投稿など)
- 改変、悪ふざけ
Googleの口コミの削除依頼が認められにくいケース
Googleに削除依頼をしても口コミの削除が認められにくいのは、どのようなケースでしょうか?
ここでは、口コミの削除依頼が認められにくいケースを3つ紹介します。
星のみの投稿である場合
特にコメントがなく星のみの投稿である場合は、削除が認められにくい傾向にあります。
なぜなら、星のみの投稿では虚偽のものであるかどうか判断することが困難であるためです。
ただし、いわゆる「荒らし」の被害に遭い短時間で多数の低評価が付けられた場合は、たとえ星のみの投稿であったとしても削除が認められる可能性があります。
事実確認が難しい場合
事実関係の確認が難しい口コミは、削除が認められにくい傾向にあります。
たとえば、医院に対して「長く待たされた」との口コミが投稿されたとしても、これが事実であるか虚偽であるかをGoogle側が判断することは困難です。
また、主観的な側面も強い(1時間を「長時間」と感じる人もいれば10分待っただけで「長時間」と感じる人もいる)ため、この点からも削除依頼が認められにくいといえます。
個人の感想である場合
個人の感想を述べた口コミは、削除依頼が認められにくい傾向にあります。
たとえば、医院について「医師の感じが悪い」との口コミや飲食店について「まずかった」などの口コミは単なる主観に過ぎず、削除されにくいといえます。
感想の削除を認めてしまうと、管理者にとって都合のよい口コミしか残らなくなってしまい、口コミサイトとしての有用性が損なわれてしまうためです。
Googleの口コミの削除依頼が認められない場合の対処法
Googleに削除依頼をしても口コミが削除されない場合は、どのように対処すればよいのでしょうか?
最後に、主な対処法を3つ紹介します。
口コミに返信する
1つ目は、その口コミに返信することです。
実際に医院や店舗側に不手際があった場合はその旨を詫び、改善に努める旨などを記載するとよいでしょう。
返信は他のユーザーからも見ることができ、医院や店舗が低評価の口コミに対しても丁寧に対応している場合は他のユーザーに悪い印象を持たれにくくなるためです。
また、実際に医院や店舗が問題の改善へ向けて尽力することで、他の患者や顧客から選ばれやすくなる効果も期待できます。
なお、口コミの投稿者に明らかな誤認や虚偽と思われる内容がある場合は、その旨を返信に付記することも1つの方法です。
たとえば、男性スタッフがいないにもかかわらず「男のスタッフの感じが悪い」と書き込まれた場合は、他の医院などと誤認している可能性があります。
その場合、返信において当院に男性スタッフがいない旨を記載するとよいでしょう。
その結果、投稿者が自ら勘違いに気付いて口コミを削除する効果が見込めるほか、閲覧するユーザーもその口コミを医院選びの参考としない可能性が高くなります。
よい評価の口コミを増やす
2つ目は、よい口コミを増やすことです。
よい評価の口コミを増やすことで低評価の口コミが目立ちにくくなるほか、低評価によって下がっていた評点が上がりやすくなります。
都合の悪い口コミを投稿され、Googleによる削除依頼も通らない場合は、これにずっと固執するのではなく、よい評価の口コミを増やすきっかけになったと考えを切り替えるとよいでしょう。
よい評価の口コミを増やすには、院内や店内に口コミ投稿先につながるQRコードを印字したポップを掲示したり、直接口コミをお願いしたりすることなどが考えられます。
なお、口コミを自作自演したりよい口コミの投稿を請け負う業者に依頼することなどはおすすめできません。
なぜなら、これらはGoogleのポリシーに反する行為であり、発覚すればビジネスの表示順位が低下したりビジネスアカウント自体が利用できなくなったりする恐れがあるためです。
よい口コミは一気に増やそうとするのではなく、地道に積み上げることが必要です。
弁護士に相談する
3つ目は、弁護士に相談することです。
Googleが削除に応じなくても、権利侵害や業務妨害がされている場合は裁判所を通すことで削除が認められる可能性があるほか、相手に対する損害賠償請求が認められる可能性があります。
また、相手が誰であるのかわかっている場合は、その相手に対して弁護士からコンタクトをとることで自ら口コミを削除する可能性もあります。
ただし、弁護士に依頼したからといって都合の悪い口コミがすべて削除できるわけではありません。
そのため、インターネット法務に詳しい弁護士へ相談し、削除の見込みや損害賠償請求が可能かどうかを確認したうえでその後の対応を検討するとよいでしょう。
まとめ
Googleに書き込まれた都合の悪い口コミを消すには、原則としてGoogleに削除依頼を出し、Googleが削除を認めなければなりません。
しかし、Googleが削除依頼を認めない場合であっても弁護士へ依頼することで削除できる可能性があるほか、相手に対して損害賠償請求ができる可能性もあります。
そのため、悪質な口コミでお困りの際は、早期に弁護士へご相談ください。
たきざわ法律事務所では、インターネット法務に力を入れており、Google口コミ削除や損害賠償請求の実績があります。
Googleの口コミについて削除依頼をしたい場合は、たきざわ法律事務所までまずはお気軽にご相談ください。