【2025】Yahoo!知恵袋の投稿は削除可能?対処法を弁護士がわかりやすく解説
誰もがスマートフォンなどから簡単に情報を発信できる世の中となりました。不明点を他のユーザーへ質問できるウェブサービスも多く、そのうちの1つがYahoo!知恵袋です。
しかし、Yahoo!知恵袋は便利なサービスである一方で、ときに誹謗中傷の舞台になることもあります。では、Yahoo!知恵袋の投稿は、削除できるのでしょうか?また、知恵袋の投稿が削除できない場合、どのように対処すればよいのでしょうか?今回は、Yahoo!知恵袋の投稿を削除する方法や削除できない場合の対処法などについて、弁護士がくわしく解説します。
なお、当事務所(たきざわ法律事務所)はインターネット上での誹謗中傷トラブルに力を入れており、なかでも企業や医院、店舗への誹謗中傷に関して豊富な解決実績を有しています。Yahoo!知恵袋の投稿削除でお困りの際は、たきざわ法律事務所までお気軽にご相談ください。
目次
Yahoo!知恵袋とは
Yahoo!知恵袋は、ユーザーが掲示板に投稿した質問に対して、他のユーザーが回答を投稿するサービスです。知りたいことが気軽に質問できるため、多くのユーザーに利用されています。
質問の投稿をしたユーザーは寄せられた回答の中からもっとも満足した回答を「ベストアンサー」に選びます。ベストアンサーが選ばれるとその投稿が「解決済み」となり、以後は回答することができません。
質問の投稿や回答の投稿にはYahoo!JAPANのIDが必要となる一方で、投稿や閲覧の回答はIDがなくても可能です。そのため、同じような疑問を抱いたユーザーがWeb検索をすることで他のユーザーの質問や「ベストアンサー」を参照でき、問題解決に役立てることができます。
Yahoo!知恵袋はこのように便利なサービスである一方で、冒頭で解説したように、ときに誹謗中傷の舞台になることがあります。Yahoo!知恵袋の誹謗中傷は、「〇〇医院の院長は患者と不倫をしているって本当ですか?」「〇〇店のラーメンには害虫が混入しているって本当ですか?」のように、一見質問のような形式でなされることが多いようです。また、これに対して「はい、本当です」のように真意不明な回答がつくこともあり、これが「ベストアンサー」に選ばれることもあります。
「ベストアンサー」はあくまでも質問の投稿者が主観的に選ぶものでしかなく、ベストアンサーであるからといって必ずしも正しいとは限りません。しかし、Web検索でこのような投稿を目にしたユーザーが、事実であると誤認するおそれがあります。また、「炎上」中の話題である場合には知恵袋の投稿がXなどに転載され、拡散されることもあります。
Yahoo!知恵袋の投稿は削除できる?
Yahoo!知恵袋の投稿は、削除できるのでしょうか?ここでは、順を追って解説します。
質問の投稿者
Yahoo!知恵袋に質問を投稿したユーザーが投稿を削除できるか否かは投稿された質問の状態によって異なり、それぞれ次のとおりです。
- 回答受付中の場合:原則として削除できる
- 解決済み・回答受付後:月に1回まで削除できる
ただし、投稿の削除には所定の枚数の「知恵コイン」が必要です。知恵コインとはYahoo!知恵袋へのログインや質問、回答などによって入手できるコインであり、ベストアンサーに選んだユーザーへのお礼などで使われるものです。
参照元:自分が投稿した「質問」を取り消したい場合(Yahoo!JAPAN知恵袋)
質問の投稿者以外
質問の投稿者以外は、原則として、Yahoo!知恵袋になされた投稿を削除することはできません。ただし、投稿の内容がYahoo!知恵袋の利用規約に反する場合、「違反報告」をすることで削除できる可能性があります。利用規約違反となる投稿については、次で紹介します。
投稿者以外がYahoo!知恵袋の投稿を削除できる主なケース
「LINEヤフー共通利用規約」では、サービス利用にあたっての遵守事項が定められています。Yahoo!知恵袋の投稿に関係する禁止事項を、抜粋して紹介します。
知恵袋になされた投稿が次の内容を含むものである場合、運営会社(LINEヤフー株式会社)に対して「違反報告」をすることで投稿が削除してもらえる可能性が高いでしょう。
- 法令、裁判所の判決、決定もしくは命令、または法令上拘束力のある行政措置に違反する行為
- 社会規範・公序良俗に反する行為や、詐欺もしくは詐欺に関連する行為、当社もしくは第三者の著作権、商標権、特許権等の知的財産権、名誉権、プライバシー権、その他法令上もしくは契約上の権利を侵害し、または他人の迷惑となる行為
- 過度に暴力的な表現、露骨な性的表現、児童ポルノ・児童虐待に相当する表現、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地等による差別につながる表現、自殺、自傷行為、薬物乱用を誘引または助長する表現、その他反社会的な内容を含み他人に不快感を与える表現を、投稿等する行為
- 営業、宣伝、広告、勧誘、その他営利を目的とする行為や面識のない第三者との出会いや交際を目的とする行為(当社の認めたものを除きます。)、性行為やわいせつな行為を目的とする行為、他のお客様に対する嫌がらせや誹謗中傷を目的とする行為、宗教活動または宗教団体への勧誘行為、その他当社サービスが予定している利用目的と異なる目的で当社サービスを利用する行為
あからさまな誹謗中傷であればこの禁止項目に該当するため、削除利用規約は改訂される可能性が高いでしょう。利用規約は改訂される可能性があるため、実際に「違反報告」をしようとする際は最新の利用規約をご確認ください。
「違反報告」をしても知恵袋の投稿が削除できない場合の対処法
運営者(LINEヤフー株式会社)に対して違反報告をしても、Yahoo!知恵袋の投稿が削除されない場合があります。ここでは、投稿が削除されない場合の対処法を紹介します。
- 弁護士へ相談する
- 削除の仮処分を申し立てる
- 法的措置を検討する
弁護士へ相談する
違反広告をしてもYahoo!知恵袋の投稿が削除されない場合は、弁護士へご相談ください。弁護士へ相談することで、その投稿が削除できるか否かの見通しが立てやすくなるほか、悪質な場合における法的措置についてアドバイスを受けることも可能となります。
弁護士へ依頼した場合には、状況に応じて、弁護士からLINEヤフー株式会社に対して削除を申し入れます。この段階で、削除に応じてもらえる可能性もあります。
なお、相談先を選ぶ際は、インターネット上での誹謗中傷トラブルに力を入れていることを事前に確認するとよいでしょう。インターネット上での誹謗中傷トラブルはやや特殊なトラブル類型であり、弁護士によって得意・不得意が左右されやすい分野であるためです。
たきざわ法律事務所はインターネット上での誹謗中傷トラブルについて豊富な実績を有しており、安心してご相談いただけます。
削除の仮処分を申し立てる
LINEヤフー株式会社に対して弁護士から直接削除を申し入れても知恵袋の投稿が削除されない場合、削除の仮処分申立てを検討します。
仮処分とは正式裁判の判決が出る前に裁判所が発する仮の命令であり、申立人の権利を保護する目的で利用されます。インターネット上になされた権利侵害にあたる投稿の削除が問題となっている場合、正式裁判の結果を待つ間にその投稿が拡散・閲覧されれば、申立人にとって不利益です。そこで、正式な裁判を経る前に、削除の仮処分を申し立てることが一般的となっています。
とはいえ、裁判所から削除の仮処分命令が出された時点でコンテンツプロバイダ(ここでは、LINEヤフー株式会社)は削除に応じる可能性が高く、削除を求める案件では、その後正式裁判にまで至るケースはほとんどありません。
ただし、削除の仮処分命令は、権利侵害の事実があると裁判所が認定して、はじめて発出されるものです。いくら自身(自社)にとって都合の悪い内容であっても、権利侵害とまでは言えなければ、仮処分を申し立てたところで投稿の削除はできません。削除の可否についての見通しを立てたい場合には、たきざわ法律事務所までご相談ください。
法的措置を検討する
Yahoo!知恵袋になされた投稿が悪質である場合、削除のみならず、法的措置も検討できます。厳しい法的措置をとることで、再発防止につながります。
法的措置を検討している場合には、削除請求をする前にスクリーンショットの撮影などで十分に証拠を残しておきましょう。証拠が残ってなければ、法的措置をとることはできないためです。Yahoo!知恵袋での誹謗中傷に対して取り得る主な法的措置は次のとおりです。
- 開示請求
- 損害賠償請求
- 刑事告訴
開示請求
開示請求は、損害賠償請求や刑事告訴に先立って、投稿者の身元を特定する手続きです。LINEヤフー株式会社から投稿のIPアドレスやタイムスタンプなどの情報を入手し、この情報を元に投稿者が利用したアクセスプロバイダ(NTTやSoftbankなど)からプロバイダ契約者の住所や氏名などの情報を入手します。
とはいえ、裁判外で情報の開示を求めたところで、これに応じてもらえる可能性はほとんどありません。そのため、開示請求は、裁判手続きによって行うことが原則です。
損害賠償請求
損害賠償請求は、投稿者の不法行為(インターネット上での誹謗中傷)によって生じた損害を賠償するだけの金銭の支払いを、投稿者に対して求める法的措置です。適正な賠償額は事案によって異なるものの、店舗や医院などへの誹謗中傷によって売上に影響が出た場合には、高額な損害賠償請求が認められる可能性があります。
刑事告訴
刑事告訴は、投稿者に前科を付けることを目的に、警察などの捜査機関に犯罪行為の事実を申告し、犯人の処罰を求める意思を表示するものです。
インターネット上での誹謗中傷は、その内容や態様によって侮辱罪や名誉毀損罪、業務妨害罪などの刑法上の罪にあたる可能性があります。告訴が受理されると警察や検察で捜査がなされ、起訴・不起訴や有罪・無罪、具体的な量刑などが決まります。
ただし、インターネット上での誹謗中傷は、よほど悪質な場合や初犯でない場合などを除き、不起訴となったり執行猶予がついたりすることがほとんどです。結果的に「前科を付ける」までには至らないことも多いため、刑事告訴までするか否かは慎重に検討すべきでしょう。
Yahoo!知恵袋の投稿削除でお困りの際はたきざわ法律事務所へご相談ください
Yahoo!知恵袋の投稿削除についてお困りの際は、たきざわ法律事務所へご相談ください。最後に、当事務所の主な特長を4つ紹介します。
- インターネット上での誹謗中傷トラブルに強い
- 難しい言葉を使わない
- フットワークが軽い
- 状況に応じた的確な解決策を提案する
インターネット上での誹謗中傷トラブルに強い
インターネット上でのトラブルは比較的新しいトラブル類型であり、弁護士によって得意・不得意が生じやすい分野です。たきざわ法律事務所はインターネット上での誹謗中傷トラブルについて豊富な解決実績を有しており、安心してお任せいただけます。
難しい言葉を使わない
意を決して弁護士へ相談したにも関わらず、難しい言葉を並べられて十分に理解できなければ、不安が募ってしまうことでしょう。そのような事態を避けるため、たきざわ法律事務所はできるだけ難しい言葉を使わずにサポートしています。
フットワークが軽い
たきざわ法律事務所の弁護士は比較的年齢が若く、フットワークの軽さを自負しています。「できるだけ早く相談したい」など可能な限りご要望にお応えするため、ご希望がある際は相談の予約時にお伝えください。
状況に応じた的確な解決策を提案する
たきざわ法律事務所は、ご相談者様やご相談者様からの高い満足度を誇っています。これは、型にはまった画一的な解決をはかるのではなく、状況やご相談者様のご希望を踏まえた最適な解決策を提案していることによるものと自負しています。
まとめ
Yahoo!知恵袋の投稿削除の可否や、運営者に「違反報告」をすることで削除されやすいケース、運営者に連絡をしても投稿が削除されない場合の対処法などを解説しました。
Yahoo!知恵袋は便利なサービスである一方で、ときに誹謗中傷の舞台となることがあります。Yahoo!知恵袋になされた投稿を削除したい場合には、法的措置に備えて投稿の証拠を残したうえで運営者に「違反広告」をするとよいでしょう。投稿の内容が利用規約に違反している場合には、削除してもらえる可能性が高いといえます。
一方で、投稿の削除に応じてもらえない場合もあります。その際は、弁護士へご相談ください。弁護士経由で削除を求めることで削除に応じてもらえる可能性が生じるほか、仮処分の申立てによる削除も検討できるためです。
悪質な場合には、削除のみならず、法的措置をとることも検討するとよいでしょう。具体的には、損害賠償請求や刑事告訴などです。厳しい法的措置をとることで悪質な行為をするユーザーへの制裁となるほか、再発防止にもつながります。
当事務所(たきざわ法律事務所)はインターネット上での誹謗中傷トラブルの解決に力を入れており、Yahoo!知恵袋の投稿削除についても豊富な実績を有しています。Yahoo!知恵袋の投稿削除や投稿者への法的措置をご検討の際は、たきざわ法律事務所までお気軽にご相談ください。