たきざわ法律事務所

OpenWork(旧Vorkers)の口コミは削除できる?投稿者の特定方法も弁護士が解説

この記事を書いた弁護士は…

 

 

 

 

OpenWorkとは、転職や就職のための情報プラットフォームです。企業の基本情報や求人情報だけではなく、社員による口コミが投稿される点が大きな特徴です。しかし、中には自社にとって都合の悪い内容の口コミが投稿されることもあります。

 

では、OpenWorkに投稿された自社の口コミは、削除できるのでしょうか?また、自社への誹謗中傷が投稿された場合、口コミの投稿者を特定することはできるのでしょうか?

 

今回は、OpenWorkの口コミ削除や投稿者の特定などについてくわしく解説します。

 

OpenWork(旧Vorkers)の特徴

 

OpenWorkは以前の名称を「Vorkers」といい、オープンワーク株式会社が運営しています。はじめに、他の口コミ投稿サイトなどと比較したOpenWorkの主な特徴を紹介します。

 

投稿のハードルが比較的高い

 

OpenWorkでは、企業の口コミ投稿者を次のように限定しています。

 

  • その企業に在職中もしくは退職済みであること
  • 2016年1月以降に1年以上在籍していたこと
  • アルバイトや派遣社員ではないこと

 

また、回答には最低でも500文字以上を記載しなければなりません。さらに、回答をするには、OpenWorkのユーザー登録が必要です。

 

このように、OpenWorkへの口コミ投稿は、比較的ハードルが高く設定されています。そのため、GoogleマップのようにSNSなどでの炎上時に「面白半分」で誹謗中傷投稿がされる可能性は、比較的低いといえるでしょう。

 

公表前に投稿が審査される

 

OpenWorkの口コミは、公表前に審査がなされます。また、公式サイトでも「誹謗中傷・名誉毀損・プライバシー侵害・機密情報などに不適切な投稿は禁止しています」との記載があります。

 

そのため、誰が見ても誹謗中傷や名誉毀損などにあたる内容はあらかじめ審査で除外され、公開されない可能性が高いでしょう。

 

投稿者であっても投稿後は編集や削除ができない

 

OpenWorkに一度投稿した口コミは、たとえ口コミの投稿者本人であっても削除や編集ができない仕組みとなっています。そのため、口コミを投稿する際は、誤りがないかよく確認したうえで投稿しなければなりません。

 

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OpenWorkに誹謗中傷投稿がされるリスク

 

OpenWorkに自社を誹謗中傷する内容の口コミが投稿された場合、どのようなリスクが生じるのでしょうか?主なリスクを2つ解説します。

 

よい人材が採用しづらくなる

 

OpenWorkは、転職や就職の希望者がよく閲覧するウェブサイトの一つです。そのため、ここに自社にとってマイナスイメージとなる口コミが投稿されると、よい人材が採用しづらくなるおそれがあります。

 

特に、いわゆる「ブラック企業」であることを伺わせる内容が投稿された場合には、転職や就職希望者から敬遠される可能性があるでしょう。

 

悪評がSNSで拡散される

 

OpenWorkの各投稿には、投稿内容を簡単にX(旧Twitter)やFacebookなどのSNSに転載できるボタンが設置されています。そのため、投稿された口コミの内容が社会的に関心の高い内容である場合、これがSNSに転載されて拡散されるおそれがあります。

 

一度拡散されてしまえば、影響がOpenWork内だけに留まらないことに注意しなければなりません。

OpenWorkへ申請して投稿を削除してもらう方法

 

投稿された口コミの内容によっては、OpenWorkの運営社へ申し入れることで口コミが削除してもらえる可能性があります。ここでは、OpenWorkへ申請して口コミを削除してもらう方法を解説します。

 

なお、この項目は2024年4月時点におけるOpenWorkの公式サイトの情報をもとに記載しています。今後ガイドラインが変更される可能性もあるため、実際に削除請求をしようとする際は、OpenWorkの公式ホームページで最新情報をご確認ください。

 

削除が認められるケース

 

OpenWorkの公式ウェブサイトによると、次の口コミは削除(非掲載)対象になるとされています。

 

  • 申請内容から掲載情報が明らかに投稿時の「事実と異なる」と判断できる場合
  • 申請内容から掲載情報が明らかに「誹謗中傷に該当する表現を含む」と判断できる場合
  • その他掲載内容が公序良俗に反すると判断できる場合

 

一方で、たとえ企業にとって都合の悪い内容であったとしても、これらに該当しない場合やこれらに該当すると明確に判断できない場合には、原則として削除は認められません。

 

削除請求の記載事項

 

OpenWorkに対する口コミの削除請求は、所定のメールアドレスにメールを送信することによって行います。電話や対面では受け付けないとされているため、ご注意ください。

 

OpenWorkに対する削除請求のメールには、次に事項を記載します。

 

  1. 申請者の「企業名」「住所」「部署・役職」「氏名」「メールアドレス」
  2. 該当の口コミが掲載されている場所(URL)
  3. 掲載されている情報
  4. 侵害されたとする権利
  5. 権利が侵害されたとする理由
  6. 発信者に対しての氏名開示の可否

 

なお、URLは回答者と回答者の情報が特定できる、次のいずれかのものが推奨されています。

  • クチコミの記事URL(対象クチコミの右下に表示されている「記事URL」をクリックし表示されたページのURLをコピーすることで取得できるもの)
  • 回答者別の社員クチコミページのURL

 

削除請求の添付書類

 

OpenWorkに対して口コミの削除を請求する際は、メールに次の資料を添付することが求められます。

 

  • (口コミの内容が「事実と異なる」場合)事実と異なることが証明できる証拠書類
  • 発行後3か月以内の印鑑登録証明書
  • 発行後3か月以内の登記簿謄本

 

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OpenWorkに申請しても削除されない場合の対処法

 

OpenWorkに対して削除請求をしても、口コミが削除されない場合があります。ここでは、口コミが削除されない場合の対処法を解説します。

 

弁護士へ相談する

 

OpenWorkに依頼しても口コミが削除されない場合は、誹謗中傷問題に強い弁護士へご相談ください。弁護士へ相談することで、添付する証拠書類を見直したり、仮処分の申立てによって削除が認められるかどうかの見通しを立てたりすることが可能となります。

 

裁判所に削除の仮処分を申し立てる

 

仮処分申し立てによって削除が認められる可能性が高いと判断した場合は、裁判所に削除の仮処分を申し立てます。

 

仮処分とは、口コミがこれ以上拡散され損害が拡大する事態を防ぐ目的などで、正式な裁判によることなく、裁判に勝訴したときと同じ状態を得るための手続きです。あくまでも「仮」の処分とはいえ、裁判所から削除の仮処分命令が出た時点で、サイト運営者は削除に応じることが一般的です。

 

そのため、ほとんどのケースにおいて、その後の正式裁判までは必要ありません。

 

OpenWorkで誹謗中傷投稿をした人を特定できる?

 

OpenWorkに自社を誹謗中傷する内容の口コミが投稿された場合、投稿者を特定することはできるのでしょうか?ここでは、投稿者の特定について順を追って解説します。

 

単に「不快」というだけでは特定できない

 

OpenWorkの口コミは、匿名で行われます。そのため、原則として投稿者を特定することはできません。

 

ただし、OpenWorkの口コミ投稿には投稿者の属性(在籍年数や性別、役職、退職済かどうか、新卒か中途かなど)が表示されます。そのため、比較的規模の小さい企業であれば、ある程度投稿者が絞り込める可能性はあるでしょう。

 

権利侵害の実態があれば特定できる可能性がある

 

OpenWorkに書き込まれた口コミの内容が自社への権利侵害にあたる場合は、例外的に投稿者を特定できる可能性があります。

 

とはいえ、OpenWorkの運営者であるオープンワーク株式会社に問い合わせたからといって、開示に応じてもらえる可能性は低いでしょう。オープンワーク株式会社は口コミ投稿者の個人情報を守る必要があるうえ、権利侵害の有無を法的機関ではない同社が正確に判断することも難しいためです。

 

そこで、投稿者を特定するには、原則として裁判上の手続きを踏まなければなりません。この手続きを「発信者情報開示請求」といいます。

 

また、2022年10月に施行された改正プロバイダ制限責任法では、非訟手続きである「発信者情報開示命令」も創設されました。いずれの手続きが適しているかは状況によって異なるため、実際に手続きをしようとする際は、あらかじめ弁護士に相談するとよいでしょう。

 

これらは、裁判所がオープンワーク株式会社や投稿者が接続に使ったプロバイダに対して投稿者に関する情報の開示を命じるものです。これによりプロバイダ契約者の住所や氏名などが分かり、口コミ投稿者の特定につながります。

 

しかし、どのような場合であっても情報の開示が受けられるわけではありません。投稿者の特定につながる情報の開示が受けられるのは、権利侵害の事実を裁判所が認め、開示が相当であると判断された場合だけです。開示を受けられる見込みを事前にある程度把握したい場合は、弁護士へご相談ください。

 

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OpenWorkで誹謗中傷投稿をした人を特定する流れ

 

投稿された口コミが悪質である場合には、投稿者に対する損害賠償請求や刑事告訴が検討できます。しかし、相手が特定できなければ、これらの法的措置を取ることは困難です。そこで、損害賠償請求や刑事告訴に先立って投稿者を特定するステップが必要となります。

 

では、投稿者の特定はどのような流れで進めればよいのでしょうか?ここでは、基本的な流れを解説します。

 

投稿の証拠を残す

 

OpenWorkで自社を誹謗中傷する悪質な口コミを見つけたら、その場で証拠を残しましょう。証拠がなければ、口コミ投稿者の特定や法的措置などが困難であるためです。

 

投稿の証拠は、スクリーンショットの撮影で残すことが一般的です。スクリーンショットで、次の事項が漏れなく掲載されるように撮影してください。

 

  • 口コミの内容
  • 口コミが投稿されたページのURL
  • 口コミが投稿された日時

 

スマートフォンからの撮影の場合はURLの表示が不完全となる可能性があるため、パソコンからの撮影をおすすめします。

 

弁護士へ相談する

 

口コミの投稿を残したら、弁護士へご相談ください。発信者情報を開示するための手続きを、自身で行うことは困難であるためです。

 

弁護士へ相談することで、投稿者の特定が可能かどうかあらかじめ想定しやすくなるほか、依頼した場合は手続きを任せることが可能となります。

 

発信者情報の開示手続きは、プロバイダでログが保存されているうちに行わなければなりません。ログの保存期間はプロバイダによって異なりますが、おおむね3か月から6か月程度です。そのため、できるだけ早期のご相談をおすすめします。

 

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発信者情報開示請求をする

 

弁護士へ依頼したうえで、発信者情報開示請求を行います。これにより、口コミ投稿者が特定できたら、具体的な事案に応じて損害賠償請求や刑事告訴へと進みます。具体的な法的措置の内容についても、弁護士へ相談したうえで検討するとよいでしょう。

 

まとめ

 

OpenWorkへの口コミ削除や、口コミ投稿者の特定などについて解説しました。

 

OpenWorkにはときに、自社を誹謗中傷する内容や事実とは異なる内容が投稿されることがあります。口コミの削除を希望する際は、まずOpenWork所定の手続きによって削除を求めるとよいでしょう。

 

OpenWorkへ請求しても口コミが削除されない場合や、削除のみならず投稿者への法的措置を講じたい場合などには、弁護士に相談することをおすすめします。なお、法的措置を検討している場合には、削除請求の前に口コミの証拠を残すことを忘れないようご注意ください。

 

たきざわ法律事務所ではインターネット上での誹謗中傷トラブルの解決に力を入れており、企業や個人事業主が被害に遭ったケースについても多くの解決実績があります。OpenWorkの口コミで誹謗中傷などをされてお困りの際は、たきざわ法律事務所までお早めにご相談ください。

 

 

 

 

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