たきざわ法律事務所

TikTokへの「開示請求」とは?流れや注意点を弁護士がわかりやすく解説

この記事を書いた弁護士は…

 

 

 

 

 

TikTokは匿名で利用できるものの、誹謗中傷などの権利侵害がされた場合は、開示請求によって相手の身元を特定できる可能性があります。

 

では、TikTokへの開示請求はどのような流れで行えばよいのでしょうか?

また、TikTokに開示請求をしても相手の身元が特定できないのは、どのようなケースなのでしょうか?

 

今回は、医院やクリニックがTikTokの投稿やコメントで権利侵害をされた場合を前提に、TikTokへの開示請求について、弁護士がくわしく解説します。

 

TikTokへの開示請求とは

 

TikTokへの開示請求とは、TikTokに請求をして投稿者の身元を特定する手続きです。

 

TikTokで誹謗中傷などの権利侵害がされた場合、投稿者に対する損害賠償請求や、投稿者の刑事告訴などの法的措置がとれる可能性があります。

しかし、インターネット上での誹謗中傷は匿名や偽名で行われることも少なくありません。

投稿者が誰であるのか分からなければ、法的措置をとることは困難です。

 

そこで、法的措置に先立って、相手の身元を特定するステップが必要となります。

これがTikTokへの開示請求です。

 

とはいえ、TikTokに対して直接情報の開示を求めても、開示に応じてもらえる可能性はほとんどありません。

権利侵害であるか否かTikTokが判断することは容易ではなく、判断を誤って開示に応じれば、開示の対象となった投稿者からTikTokに対して損害賠償請求などがなされる可能性があるためです。

そのため、TikTokへの開示請求は裁判手続きによって行うことが一般的です。

 

また、TikTokは原則として、投稿者の住所や氏名までの情報は有していません。

そのため、TikTokへの開示請求ではまず、投稿のIPアドレスやタイムスタンプなどの情報だけを入手します。

 

そして、この情報をもとに、投稿者が接続に使ったプロバイダに対して氏名や住所の開示を請求することとなります。

 

TikTokに開示請求をしても相手を特定できないケース

 

TikTokに開示請求をしたからといって、必ず投稿者の身元が特定できるわけではありません。

ここでは、TikTokへ開示請求をしても身元が特定できない主なケースを4つ解説します。

 

投稿内容が権利侵害とまではいえない場合

 

1つ目は、投稿内容が権利侵害とまではいえない場合です。

TikTokに投稿された内容が医院やクリニックにとって都合の悪い内容であっても、権利侵害とまではいえない場合は開示請求は認められません。

 

権利侵害であるか否かを自身で判断することは容易ではないため、お困りの際は弁護士へご相談ください。

弁護士へ相談することで、その投稿について開示請求が認められるか否かの見通しが立てやすくなります。

 

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証拠が不十分である場合

 

2つ目は、権利侵害の証拠が不十分である場合です。

 

開示請求が認められるためには、誹謗中傷の証拠が必要です。

たとえTikTokで誹謗中傷がなされたことが事実であっても、証拠がなければ、開示請求は認められません。

 

そのため、医院やクリニックを誹謗中傷する投稿を見つけたら、投稿が消える前にその場で証拠を残してください。

証拠の残し方については、後ほど解説します。

 

投稿から時間が経ちすぎている場合

 

3つ目は、問題の投稿がなされてから、時間が経ちすぎている場合です。

 

投稿のログは永久に保存されるわけではなく、一定期間の経過とともに消えてしまいます。

たとえ権利侵害が明白であっても、「ない情報」は開示のしようがありません。

 

ログの保存期間はプロバイダによって異なるものの、3か月から6か月程度が目安となります。

そのため、ログの保存期間に間に合うように開示請求を進める必要があります。

 

開示請求の目的が正当ではない場合

 

4つ目は、TikTokへの開示請求の目的が、正当でない場合です。

 

開示請求は、損害賠償請求や刑事告訴の前段階としてなど、正当な目的がある場合にのみ認められます。

一方で、たとえば「誹謗中傷した者の個人情報をSNSで晒したい」など、正当とはいえない目的での開示請求は認められません。

 

TikTokに開示請求をする流れ

 

TikTokへの開示請求は、どのような流れで行えばよいのでしょうか?

ここでは、一般的な流れを解説します。

 

投稿の証拠を残す

 

TikTokで誹謗中傷されていることに気付いたら、その場で証拠を残します。

証拠は、スクリーンショットの撮影で残すことが一般的です。

 

スクリーンショットは、次の情報が漏れなく掲載されるように撮影しましょう。

 

  • 誹謗中傷投稿の内容

  • 誹謗中傷投稿と関連する前後の投稿やコメント

  • 投稿の日時

  • 投稿のURL

 

弁護士へ相談する

 

投稿の証拠を残したら、できるだけ早期に弁護士へ相談してください。

 

TikTokへの開示請求を自分で成功させることは、容易ではありません。

無理に自分で対応しようとすれば、手続きや法令を調べることなどに時間を要してログの保存期間が過ぎ、開示請求ができなくなるかもしれません。

 

また、たとえ開示請求までは対応できても、その後の損害賠償請求などまでを自身で行うハードルは、さらに高いといえるでしょう。

そのため、開示請求の対応経験が豊富な弁護士のサポートを受けることをおすすめします。

 

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TikTokに開示請求をする

 

弁護士に対応を依頼したら、弁護士からTikTokに開示請求をします。

先ほど解説したように、開示請求は裁判手続きによって行うことが一般的です。

 

請求が認められると、TikTokから投稿のIPアドレスやタイムスタンプなどの情報が開示されます。

 

接続プロバイダに開示請求をする

 

TikTokからIPアドレスなどの情報が開示されたら、その情報をもとに、投稿者が接続に使ったプロバイダ(NTTやSoftbankなど)に開示請求をします。

この請求も、裁判手続きで行うことが一般的です。

 

請求が認められるとプロバイダ契約者の住所や氏名などの情報が開示され、投稿者の身元が判明します。

なお、TikTokへの開示請求と接続プロバイダへの請求を一つの手続きで行える「発信者情報開示命令」も存在します。

 

ただし、発信者情報開示命令はうまくいけば開示に要する期間を短縮できる一方で、TikTokや接続プロバイダ側の対応によっては、むしろ開示までの期間が長くなるリスクもあります。

そのため、いずれの手続きを選択するかは、開示請求の実績が豊富な弁護士に相談したうえで検討するとよいでしょう。

 

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TikTokへの開示請求を成功させるポイント

 

TikTokへの開示請求を成功させるには、どのような点に注意すればよいのでしょうか?

ここでは、開示請求を成功させる主なポイントを3つ解説します。

 

できるだけ早期に弁護士へ相談する

 

1つ目は、できるだけ早期に弁護士へ相談することです。

 

先ほど解説したように、投稿のログは3か月から6か月程度の一定期間が経過すると消えてしまいます。

ログが消えてしまうと、もはや投稿者の特定は困難です。

 

そのため、少なくともこの期間内にログの消去禁止命令までは成功させなければなりません。

これは決して余裕のあるスケジュールとはいえず、早期の対応こそが開示請求成功のカギとなります。

 

また、TikTokへの開示請求を自分で成功させることは容易ではありません。

無理に自分で行おうとして開示が相当でないと判断されたり、手続きや法令を調べているうちにログの保存期間が過ぎてしまったりすれば本末転倒です。

権利侵害とはいえず、開示請求の可能性が低い投稿に開示請求をしてしまい時間と労力を無駄にするおそれもあるでしょう。

 

そのような事態を避けるため、TikTokで誹謗中傷されていることに気付いたら、できるだけ早期に弁護士へご相談ください。

可能であれば、誹謗中傷に気付いた当日や翌日には、弁護士へコンタクトをとれるとベストです。

 

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証拠を漏れなく残す

 

2つ目は、投稿の証拠を漏れなく残すことです。

たとえ誹謗中傷が事実であっても、証拠がなければ情報の開示を受けることはできません。

 

TikTokには、一定時間の経過とともに投稿が自動で消える「ストーリーズ」機能が存在します。

また、投稿者が法的措置を恐れて、自分の投稿を消してしまうかもしれません。

そのため、投稿が消えてしまう前にすみやかに証拠を残してください。

 

削除請求は弁護士に相談してから行う

 

3つ目は、削除請求をしたい場合、弁護士に相談したうえで行うことです。

 

TikTokに書き込まれた内容によっては、その投稿が多くの人の目に触れる前に投稿を消してほしいと考えることでしょう。

その際は、削除請求を検討できます。

 

削除請求とは、TikTokに権利侵害を報告し、投稿の削除を求めることです。

また、報告をしてもTikTokが削除に応じない場合、裁判手続きによって削除を求めることもあります。

 

しかし、TikTokへの開示請求を検討している場合には、削除請求は慎重に行わなければなりません。

なぜなら、削除請求が認められて問題の投稿が削除されれば、開示請求で必要となる証拠が消えてしまうこととなるためです。

 

TikTokへの開示請求を検討している際は焦って削除請求をすることは避け、弁護士へ相談してください。

そして、証拠が十分であることを確認してもらったうえで削除請求に進むことをおすすめします。

 

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TikTokへの開示請求は、たきざわ法律事務所へお任せください

 

医院やクリニックがTikTokで誹謗中傷され開示請求をご検討の際は、たきざわ法律事務所へご相談ください。

最後に、たきざわ法律事務所の主な特長を4つ紹介します。

 

医院やクリニックのサポートに特化している

 

たきざわ法律事務所は、医院やクリニックのサポートに特化しています。

そのため、誹謗中傷トラブルのほか、スタッフトラブルや患者とのトラブル、医院や医師の先生個人の所有不動産にまつわるトラブルや個人的なトラブルに至るまで、トータルでのリーガルサポートが可能です。

 

インターネット上での誹謗中傷トラブルへの対応実績が豊富である

 

インターネット上での誹謗中傷対応はやや特殊な分野であり、スムーズな対応には法令のみならず、手続きに関する理解も不可欠です。

たきざわ法律事務所はインターネット上での誹謗中傷トラブルについて豊富な対応実績があるため、安心してお任せいただけます。

 

難しい用語を使わない

 

弁護士へ相談したにもかかわらず難しい専門用語を並べられると、理解に至らず不満や不安が残ってしまうことでしょう。

たきざわ法律事務所では、難しい専門用語を使わず、どなたにもわかりやすい説明・アドバイスを心がけています。

 

ご依頼者様からの満足度が高い

 

たきざわ法律事務所では、ご相談者様やご依頼者様からの高い満足度を誇っています。

これは、当事務所が一人ひとりのクライアントに寄り添い、クライアントごとに最適な解決方法をご提案していることによるものでしょう。

 

また、当事務所はフットワークの軽さもウリにしています。

この点についてもご好評をいただいています。

 

まとめ

 

TikTokへの開示請求の概要や流れ、成功させるポイントなどについて解説しました。

 

TikTokの開示請求とは、誹謗中傷などをした投稿者の身元を特定するため、TikTokや接続プロバイダに対して情報の開示を求めることです。

投稿者に対して損害賠償請求や刑事告訴などの法的措置をとりたい場合は、これらに先立ち、開示請求をして身元を特定することとなります。

 

TikTokへの開示請求を成功させるには、早期の対応がカギといえます。

TikTokで医院やクリニックが誹謗中傷されていることに気付いたら、スクリーンショットなどで証拠を残したうえで、できるだけ早期に弁護士へご相談ください。

 

たきざわ法律事務所ではインターネット上での誹謗中傷トラブルの対応に力を入れており、TikTokへの開示請求についても多くの実績があります。

TikTokへの開示請求をご検討の際は、たきざわ法律事務所までお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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