5ちゃんねるの開示請求のやり方は?流れを弁護士がわかりやすく解説
5ちゃんねるで誹謗中傷などの書き込みがなされた場合、投稿者の開示請求が検討できます。
では、5ちゃんねるの開示請求は、どのような流れで行えばよいのでしょうか?
また、5ちゃんねるへの開示請求は、自分で行うこともできるのでしょうか?
今回は、医院やクリニック、そのスタッフなどが5ちゃんねるで誹謗中傷された場合を前提に、開示請求について弁護士が解説します。
目次
5ちゃんねるの開示請求とは
5ちゃんねるの開示請求とは、投稿者を特定する情報の開示を、5ちゃんねるなどに対して求めることです。
5ちゃんねるで医院やクリニックなどへの誹謗中傷がなされた場合、投稿者に対して法的措置がとれる可能性があります。
とり得る法的措置は、損害賠償請求や刑事告訴などです。
しかし、5ちゃんねるの投稿は匿名でなされることがほとんどであり、一見しただけでは誰が書きこんだのかわかりません。
そして、投稿者がわからなければ、法的措置をとることが困難です。
そこで、損害賠償請求や刑事告訴に先立って開示請求を行い、投稿者の特定を試みることとなります。
これが5ちゃんねるへの開示請求です。
5ちゃんねるに開示請求をする基本の流れ
5ちゃんねるの開示請求は、どのような流れで進めればよいのでしょうか?
ここでは、開示請求の基本的な流れを解説します。
権利侵害の証拠を残す
5ちゃんねるで誹謗中傷がなされたら、まずはその証拠を残します。
開示請求やその後の法的措置では証拠が必要となるものの、投稿者の操作や他者による運営者への「通報」などで投稿が消えてしまうおそれがあるためです。
そのため、投稿が消えてしまう前に、誹謗中傷(権利侵害)の証拠を残さなければなりません。
投稿の証拠は、スクリーンショットで残すことが一般的です。
スクリーンショットでは、投稿の内容のほか、投稿の日時やそのページのURLなどが漏れなく掲載されるように撮影してください。
5ちゃんねるに開示請求をする
証拠を残したら、5ちゃんねるの運営者に対して開示請求を行います。
ただし、5ちゃんねるが任意で開示に応じてくれる可能性はほとんどありません。
権利侵害がないにもかかわらず投稿者の情報を開示すれば、投稿者から5ちゃんねるに対して法的措置がとられる可能性があるためです。
また、権利侵害の有無を5ちゃんねるが確定的に判断することは困難でしょう。
そこで、開示請求は裁判手続きによって行うことが一般的です。
裁判所が開示が相当であると判断すると、5ちゃんねるから投稿者の情報が開示されます。
とはいえ、5ちゃんねるは原則として、投稿者の住所や氏名などまでの情報は把握していません。
そのため、このステップでは投稿のIPアドレスやタイムスタンプの開示がされるに留まります。
接続プロバイダに開示請求をする
5ちゃんねるから開示されたIPアドレスなどの情報をもとに、接続プロバイダ(KDDIやSoftbankなど)に対して、契約者の情報開示を請求します。
こちらも、裁判上の手続きで行うことが一般的です。
これにより、投稿者が投稿に使ったプロバイダの契約者の住所や氏名が特定できます。
5ちゃんねるの開示請求が成功したらその後は何をする?
5ちゃんねるやプロバイダへの開示請求で投稿者が特定できたら、その後は何をするのでしょうか?
ここでは、主な法的措置を紹介します。
なお、損害賠償請求と刑事告訴はいずれか一つを選択すべきということではありません。
両方の要件を満たす場合には、両方の措置をとることも可能です。
どの法的措置をとるのが適切であるかは状況や被害者の希望などによって異なるため、弁護士に相談したうえで検討してください。
相手に損害賠償請求をする
1つ目は、投稿者に対する損害賠償請求です。
医院やクリニック、そこで勤務する医師やスタッフが誹謗中傷された場合、投稿者に対して損害賠償請求ができる可能性があります。
誹謗中傷によって認められる損害賠償は数万円から数十万円程度であることが多いものの、医院やクリニックの経営に直接影響した場合には、さらに高額の損害賠償が認められる可能性があります。
損害賠償請求は、はじめから裁判を申し立てるのではなく、まずは弁護士から内容証明郵便を送るなどして行うことが一般的です。
この段階で、投稿者が謝罪して請求に応じれば、示談書を交わして事件は解決となります。
一方、請求を無視するなど不誠実な態度をとる場合は、裁判上での請求へと移行します。
相手を刑事告訴する
2つ目は、相手を刑事告訴することです。
5ちゃんねるへの投稿で医院やクリニック、スタッフなどを誹謗中傷することは、刑法上の罪にあたる可能性があります。
該当する罪や投稿された内容によって異なるものの、たとえば名誉毀損罪や侮辱罪、業務妨害罪などが成立する場合があるでしょう。
しかし、これらの罪を警察などが独自に捜査することはほとんどありません。
特に、名誉毀損罪と侮辱罪は、被害者が告訴できなければ犯人を罪に問えない「親告罪」です。
そこで、投稿者に前科を付けたい場合は、警察などに告訴をすることとなります。
告訴が受理されると、その後は警察で捜査が行われ、必要に応じて投稿者が逮捕されます。
その後は検察に身柄が送られ、捜査の結果、起訴か不起訴(刑事裁判を行わず、事実上の無罪放免とすること)かが決まります。
起訴されると刑事裁判が開始され、有罪・無罪や具体的な量刑が決まるという流れです。
ただし、名誉毀損などの罪である場合は不起訴となる可能性や、有罪であっても執行猶予(一定期間を問題なく過ごすことで、刑の言い渡しの効果が消滅すること)がつく可能性が低くありません。
(参考)嫌がらせ目的の開示請求は認められない
5ちゃんねるの開示請求は、損害賠償請求や刑事告訴など正当な目的で行うべきものです。
一方、相手の個人情報をインターネット上で「晒す」ことや、相手の家に何度も押しかけることなど、嫌がらせ目的での開示請求は求められません。
5ちゃんねるに開示請求をしようとする際は、あらかじめ最終的な目的を定めておきましょう。
5ちゃんねるの開示請求は自分で行うのがおすすめできない理由
5ちゃんねるの開示請求は、自分で行ってはいけないわけではありません。
しかし、法律や裁判手続きに関する知識を元から有しており、かつ時間に余裕があるなど一定の場合を除き、無理に自分で対応することは避けた方がよいでしょう。
ここでは、自分での開示請求がおすすめできない理由を4つ紹介します。
開示が認められないおそれがあるから
無理に自分で行えば、開示請求が認められないおそれが生じます。
5ちゃんねるの開示請求は、裁判所に形式的な書類を出すだけで認められるようなものではありません。
情報の開示が相当であると判断されるには、根拠法令を踏まえて権利侵害があった事実を明確に記載したうえで、具体的な証拠の提示が不可欠です。
記載や証拠が不十分であれば、本来は認められたはずの開示請求が認められない可能性が生じます。
弁護士に依頼することで、このような事態を最小限に抑えることが可能となります。
ログの保存期間を過ぎてしまうおそれがあるから
5ちゃんねるの開示請求の方法は、時間をかければ調べられるかもしれません。
しかし、自分で一つずつ調べているうちに時間が経過すれば、ログが消えてしまい、情報の開示が受けられなくなるおそれがあります。
インターネット上になされた投稿のログは、永久に保存されるわけではなく、一定期間の経過によって消えてしまいます。
ログの保存期間はプロバイダによって異なるものの、おおむね3か月から6か月程度であることが多いでしょう。
そのため、少なくともこの期間が経過する前に裁判所から消去禁止の仮処分命令などを出してもらえなければ、もはや開示を受けることはできません。
いくら権利侵害の事実があったとしても、「ない」情報の開示を受けることはできないためです。
5ちゃんねるの開示請求は、時間との勝負であるといっても過言ではありません。
弁護士に依頼することで、スムーズな開示請求が可能となります。
開示の見込みがない投稿に開示請求をして時間と労力が無駄になるおそれがあるから
いくら自己にとって都合の悪い内容であったとしても、権利侵害とまではいえない場合には、発信者情報の開示を受けることはできません。
しかし、投稿内容が権利侵害であるか否かを、自分で正確に判断することは容易ではないでしょう。
その結果、情報開示の見込みが薄い投稿について開示請求をしてしまい、時間と労力を無駄にしてしまうおそれがあります。
弁護士に相談することで、開示請求が認められるか否かをあらかじめ想定しやすくなります。
その後の損害賠償請求などを自分で行うハードルはさらに高いから
先ほど解説したように、5ちゃんねるの開示請求は、その後の損害賠償請求や刑事告訴を前提として行うものです。
自分で5ちゃんねるへの開示請求を成功させることができても、その後の損害賠償請求などまでを自分で成功させるハードルは、非常に高いといえるでしょう。
そもそも、自身や自身が運営する医院を誹謗中傷した相手と直接対峙することは、危険でもあります。
その後の損害賠償請求などを弁護士に依頼したいのであれば、開示請求の段階から弁護士に任せた方が、無駄がなくスムーズです。
5ちゃんねるの開示請求はたきざわ法律事務所へお任せください
医院やクリニックなどが5ちゃんねるで誹謗中傷されてお困りの際は、たきざわ法律事務所へご相談ください。
最後に、たきざわ法律事務所の主な特長を4つ紹介します。
開示請求など誹謗中傷トラブルへの対応実績が豊富である
たきざわ法律事務所では誹謗中傷トラブルへの対応に力を入れており、開示請求の実績も豊富です。
そのため、5ちゃんねるへの開示請求も、安心してお任せいただけます。
医院やクリニックからの相談に特化している
たきざわ法律事務所は、医院やクリニックなどからの相談に特化しています。
そのため、開示請求のみならず、スタッフや患者とのトラブル、医師の個人的な困りごとや不動産にまつわるトラブルまでトータルでご相談いただくことが可能です。
難解な用語を使わない
法律用語には難解なものが多く、「説明されたけれど、よくわからなかった」と感じるケースも少なくないようです。
自身がとる法的措置の内容が理解しきれていなければ、不安が残ってしまうことでしょう。
そのため、たきざわ法律事務所では、難解な用語を使わないよう心がけています。
ご依頼の満足度が高い
たきざわ法律事務所では、決まった業務フローに案件をあてはめて処理するのではなく、ご相談者様の状況や希望に応じた最適な対応プランを個々に提案しています。
そのため、「依頼してよかった」「相談してよかった」との声を多くいただいており、高い満足度を誇っています。
まとめ
5ちゃんねるの開示請求の概要や流れなどについて解説しました。
5ちゃんねるで医院やクリニックなどが誹謗中傷された場合、損害賠償請求や刑事告訴などの法的措置が検討できます。
しかし、5ちゃんねるの投稿は匿名でなされることがほとんどであり、投稿者の身元がわからなければ法的措置をとることは困難です。
そこで、法的措置の前段階として開示請求を行います。
しかし、5ちゃんねるへの開示請求は書類の空欄を埋めるだけで簡単にできるようなものではないうえ、時間的な制約もあります。
そのため、無理に自分でやろうとするのではなく、開示請求の経験が豊富な弁護士に依頼して行うとよいでしょう。
たきざわ法律事務所ではインターネット上の誹謗中傷トラブルの解決に力を入れており、5ちゃんねるの開示請求についても多くの成功実績があります。
5ちゃんねるへの開示請求をご検討の際は、たきざわ法律事務所までお早めにご相談ください。