たきざわ法律事務所

著作権法の一部改正によって拡がるAIビジネスの可能性

この記事を書いた弁護士は…

 

弊所では、企業様から新しい技術を使用したビジネスに関する法的リスクをご相談いただくことがあります。

 

特に知的財産権関連の法律は頻繁に改正を重ねています。新規ビジネスに潜む法的リスクの調査や判断は、技術面の理解は当然のこと、最新の法律論をしっかりフォローアップしていなければ困難です。

 

先日、そんな知財分野のひとつである著作権法に大きな改正がありました。今回はこちらについてご紹介させていただきます。

 

著作権法の一部を改正する法律が施行されました

2019年1月1日より、著作権法の一部が変わりました。

 

改正内容にはICTを活用した教育に関するものなども含まれますが、ウェブサービスやソフトウェア開発ビジネスに特に影響が大きい項目が「デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備」です。

 

参考:著作権法の一部を改正する法律の概要

 

これは簡単にいってしまえば、検索サービスのためのデータベース作成や、AIのディープラーニングのための学習用データを集めるクローリングやスクレイピング、ビッグデータの収集・活用などにおいて、一定の要件のもとで他人の著作物が利用可能になる(あるいは利用可能になる幅が広がる)というものです。

柔軟な対応が可能になる改正

これまでの改正では、こうした技術の進歩に対しては個別に条文が作られる形で対応が進められていました。しかし、様々な技術の組み合わせに対応していなかったり、利用目的が限定されていたりと、日々変わっていくニーズに対応できているとは言い難い状況でした。

 

例えば、旧著作権法47条の6では検索サービスのために著作物の複製を認める、という規定がありましたが、検索対象がインターネット上の情報に限定されていたため、例えば紙媒体の書籍を検索対象とすることができない問題点が指摘されてきました。

 

それに対して改正著作権法47条の5では、検索情報の特定や所在検索サービス、情報解析サービスに関して、デジタル・アナログ情報や利用方法を問わず、一定要件さえみたせば利用可能となったのです。

改正後の注意点

上記のようなビジネスを行おうとしている方にとっては朗報となる今回の著作権法改正ですが、どんな情報でも気軽に利用することができるわけではありません。

 

改正著作権法47条の5では対応範囲が広い分、情報漏えいの防止の措置をとることや、情報収集禁止措置のとられた情報を使用しないなどの条件にくわえて、事前に学識経験者に対する相談等の必要な取り組みを行うことが求められています。(改正著作権法施行規則4条の5)

 

今回の改正はこれまで個別具体的に規定してきた文言を、利用の自由度を上げるために抽象的な文言によって規定したものとなります。そのため、自社の提供するサービスが著作権法の求める要件に合致しているかについて事前に学識経験者の意見を求めることを定めたのです。

 

のちのトラブルを防ぐためには、サービス開始前に予め弁護士や学者に対し意見書の作成を依頼し、法的リスクに対処しておくなどの準備を整える必要があるでしょう。

まとめ

以上、改正された著作権法が、AIなどの新規技術を用いたビジネスに与える影響について解説してきました。

 

たきざわ法律事務所ではこれまでソフトウェア開発等様々な技術分野においてリーガルサービスを提供してきた経験と実績を活かし、新規事業立ち上げに伴うご相談や意見書の作成を承っております。

 

法的リスクを把握し適切なビジネスを展開するため、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

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