たきざわ法律事務所

【2022】会社設立時に活用したい助成金・補助金は?押さえておくべきポイントを解説

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たとえば、30万円の助成金があったとします。もちろん大金ではありますが、申請する手間を考えると、わりに合わないと思う方もいるかもしれません。しかし、助成金や補助金の30万円は、利益を30万円出せたこととほぼ同じなのです。

 

会社経営していて30万円の利益を出すとなると、利益率が10%の場合は300万円もの売り上げが必要です。このように考えると、助成金や補助金のインパクトは大きく、できるだけ助成金や補助金を活用し経営に役立てたいと思われるのではないでしょうか?

 

今回は、会社設立前に起業家・経営者の方が押さえておきたい助成金や補助金について解説します。

 

会社設立時に知っておきたい助成金・補助金

会社設立時に活用できるおすすめの助成金

 

新たに会社を立ち上げた起業家の方にとって、新規ビジネスへの投資にかかるコストや日々の運転資金の状況は大きな問題です。「少しでも多く資金を確保したい」そして「経営を安定させたい」と思われていることでしょう。

 

そんな起業家の方に知って頂きたいのが「助成金」や「補助金」です。助成金や補助金は、企業や個人などが行う事業や取り組みを支援するために、国の機関や地方公共団体が会社の経費の一部を支給してくれる制度です。銀行からの融資とは異なり、返済の必要がない資金であるため、会社設立して間もない時期には重宝することでしょう。

 

まずは、助成金と補助金それぞれの概要と違いについて確認しておきましょう。

 

助成金とは

 

助成金とは、主に厚生労働省が実施する制度であり、会社が負担した労働者の人件費や研修のための費用について、その一部を助成してくれる制度です。新たに労働者を雇用した場合や、定年延長の仕組みを導入した場合、労働者への研修や教育等を行った際に助成される内容が多くなっています。

 

補助金とは

 

補助金とは、国の機関や地方公共団体が会社や個人事業主に対して、原則として返済不要なお金を支給してくれる制度です。補助金の対象や目的はさまざまなものがあり、国や自治体の政策目標(目指す姿)に合わせて、さまざまな分野で募集されています。そして、会社の取り組みをサポートするために、取り組みに掛かる費用の一部を給付してくれます。

 

補助金は誰でも受給できるものではなく、その目的に応じた内容となっていたり、一定の条件や審査を通過したりする必要があります。補助金の審査は、中小企業に該当するなどの要件を満たし申請すれば受けられる比較的簡単なものから、事業計画書の提出を行い、採択を受けなければならない難易度の高いものまでさまざまです。

 

スタートアップ支援や中小企業のマーケティングなどを目的とした補助金は、会社設立時にマッチした補助金といえます。

 

助成金と補助金の違い

 

助成金と補助金にはどのような違いがあるのでしょうか?

 

返済不要の資金を得られる点は共通しています。しかし、制度の目的や受給の審査などに違いがあります。

 

助成金は、一定の要件を満たしている場合、申請すれば基本的に助成金を受給することができます。

 

たとえば、期間を定めて働いている契約社員の方を正社員に切り替えた場合に助成金を支給する「キャリアアップ助成」について考えてみましょう。自社に契約社員の方が在籍しており、この労働者を正社員への転換することで要件を満たすことになります(実際には、他にも要件あり)。助成金は主に厚生労働省が実施しており、「ヒト」に関係する内容が多くなっています。

 

一方の補助金は、助成金とは異なり会社の規模や業種などの要件を満たすだけでは受給することはできません。多くの補助金では審査があります。事業計画書を提出し、優れた企画案であると認められ、補助事業者に採択されて補助金を受給することができます。

 

また、補助金の対象は新規の設備投資やマーケティングなど「モノ」や「サービス」に関するものであり、企業による販路開拓等や業務効率化への取り組みなどを、金銭面でサポートしてくれます。

 

会社設立時に活用できるおすすめの助成金

会社設立時に活用できるおすすめの助成金

 

スタートアップ企業では、正社員を雇うことは資金的に難しいことが多いものです。また、会社の知名度が高いとはいえないことが多いため、優秀な人材を採用するよりも、今いる人材を長い時間をかけて育てていく経営スタイルも少なくありません。

 

このような背景から、会社設立時には「キャリアアップ助成金」や「トライアル雇用助成金」がおすすめです。それぞれの助成金について解説しましょう。

 

キャリアアップ助成金

 

キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者などの労働者の方が企業内でキャリアアップする取り組みを実施する事業主の方を対象とした助成金です。社内にキャリアップの制度を設けることで、労働者の意欲や能力の向上、事業の生産性の向上、そして優秀な人材の確保が期待されます。

 

キャリアアップ助成金には、次の6つのコースがあります。

 

  • 1 正社員化コース

  • 2 賃金規定等改定コース

  • 3 賃金規定等共通化コース

  • 4 諸手当制度共通化コース

  • 5 選択的適用拡大導入時処遇改善コース

  • 6 短時間労働者労働時間延長コース

たとえば、有期雇用労働者を正規雇用労働者に転換または直接雇用した場合には、「1 正社員化コース」 が利用でき、その他の要件を満たし、申請することで57万円(生産性の向上が認められる場合は72万円)が助成されます。

 

トライアル雇用助成金

 

トライアル雇用は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者等を原則3ヶ月間試行雇用することにより、その適性や能力を見極め、期間の定めのない雇用への移行のきっかけとすることを目的とした制度です。このトライアル雇用を実施する事業主の方を対象とした助成金が、トライアル雇用助成金です。

 

職業経験の不足した人材を採用することは、企業にとって大きなリスクとなります。また、そういった人材を採用したとしても、その教育に掛かるコストも大きな金額となってしまいます。

 

このようなリスクやコストを抑えるには、「トライアル雇用助成金」を活用しましょう。労働者の適性を確認した上で無期雇用へ移行することができるため、ミスマッチを防ぐことができます。

 

トライアル雇用助成金では、1週間の所定労働時間が30時間以上であるか、20時間以上30時間未満によって、申請するコースを分けることができます。

 

求職者が1週間の所定労働時間が30時間以上の無期雇用を希望する場合、

 

  • 一般トライアルコース

  • 新型コロナウイルス感染症対応トライアル コース

 

となります。これらのコースの助成額は、支給対象者1人につき月額4万円(最長3ヶ月)です。ただし、対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合、1人につき月額5万円となります。

 

求職者が1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の無期雇用を希望する場合、

 

  • 新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース

 

となります。このコースの助成額は、支給対象者1人につき月額2.5万円(最長3ヶ月)です。

会社設立時に活用できるおすすめの補助金

会社設立時に活用できるおすすめの補助金

 

会社設立時にはたくさんの先行投資が必要となり、また思いの外お金が掛かったという経験をする経営者の方も多くいらっしゃいます。ここでは、補助の対象が会社設立時にも活用でき、比較的申請しやすい補助金を紹介します。

 

小規模事業者持続化補助金

 

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助してくれる制度です。

 

小規模事業者持続化補助金では、地域の商工会または商工会議所の助言等を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って地道な販路開拓等に取り組む費用の2/3が補助されます。一般型の場合、補助上限額50万円とされています。

 

販路開拓等に取り組む費用が補助の対象ですが、

 

  • 新たな販促用チラシの作成、送付

  • 新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告)

  • 新たな販促品の調達、配布

  • ブランディングの専門家から新商品開発に向けた指導、助言

 

など、会社を設立して間もない期間から活用できます。

 

また、小規模事業者持続化補助金では、販路開拓と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みを行う場合には、それらの取り組みも補助対象事業となり、「プロセスの改善」および「IT利活用」も補助対象となっています。

 

たとえば、「業務改善の専門家からの指導や助言により長時間労働を削減する」ことや、「新たに POS レジソフトウェアを購入し、売上管理業務を効率化する」ことなどが該当します。

 

ものづくり補助金

 

ものづくり補助金とは、中小企業が経営革新のための設備投資を行う際に活用できる補助金です。一般的に「ものづくり補助金」と呼ばれている補助金ですが、正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。

 

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイ ス導入等)に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作 品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。

 

ものづくり補助金には、「一般型」と「グローバル展開型」があります。設備投資を行う多くの企業は一般型に応募することになりますが、海外事業の拡大・強化等を目的とした設備投資を行う際には「グローバル展開型」を選択しましょう。

 

そして、一般型は「通常枠」と「低感染リスク型ビジネス枠」に分かれています。

 

「低感染リスク型ビジネス枠」では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、社会経済の変化に対応したビジネスモデルへの転換に向け、新型コロナウイルスの影響を乗り越えるために前向きな投資を行う事業者に対して、新特別枠「低感染リスク型ビジネス枠」を新たに設け、優先的に支援しています。

 

小規模企業者・小規模事業者であれば、「通常枠」「低感染リスク型ビジネス枠」ともに新商品の開発、新たな生産方式の導入、新役務(サービス)開発、新たな提供方式の導入など、中小企業が経営革新のための設備投資に掛かる費用の2/3が補助されます。

 

補助上限は、「一般型」が1,000万円と大きな金額となっています。そして、「グローバル展開型」の補助上限は3,000万円とさらに大きな金額とされています。

 

会社設立する地域に独自の助成金・補助金

会社設立する地域に独自の助成金・補助金

 

ここまで紹介してきた助成金や補助金は、国の機関が管轄し日本全国のどの地域でも申請ができる内容でした。国の機関以外にも、地方にある組織やファンドが助成金や補助金を出していることもあります。

 

そのため、会社を設立する地域によっては、魅力的な助成金や補助金があります。

 

東京都の創業助成金

 

東京都の創業助成金は、公益財団法人東京都中小企業振興公社が主催している助成金です。都内で創業を予定されている方、または創業して5年未満の中小企業者等の方に限定されます。

 

また、この助成金を受給するには、次の項目が要件として設定されています。

 

  • TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者

  • 東京都制度融資(創業)利用者

  • 都内の公的創業支援施設入居者

 

助成額の上限額は300万円、下限額は100万円とされ、助成率は助成対象と認められる経費の2/3以内です。助成対象は、賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費と幅広くなっています。

 

賃借料として、助成事業の遂行に必要な都内の不動産(事務所、店舗、駐車場等)の賃借料や共益費、都内の事務所・店舗等で使用する器具備品等のリース・レンタル料が対象ですが、国の機関による補助金ではなかなか補助されない項目です。

 

そして、従業員人件費として、直接雇用契約を締結した従業員に対する給与(基本給)およびパート・アルバイト従業員に対する賃金も対象です。助成対象経費の上限は月額35万円です。

 

また、パート・アルバイトに係る賃金は、1人につき日額8,000円が限度とされています。このように、東京都の創業助成事業は助成対象の幅広さ、金額ともに他の助成金や補助金と比べても充実した内容となっています。

 

 

地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ型)

 

地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ型)も、主に研究・商品開発、需要の開拓に係る費用が助成対象とし、各地の農林水産物や伝統技術を活用する、商品開発・販路開拓の取り組みなどを支援しています。

 

独立行政法人中小企業基盤整備機構は、中小企業を支援するためにつくられた経産省傘下の独立行政法人です。そして、中小企業基盤整備機構と各都道府県の公共団体・金融機関等が共同出資し組成される地域独自の官民ファンドに「地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ型)」があります。

 

地域貢献性が高い新事業に取り組む中小企業者等は、ファンド運営会社に対象事業が採択されると、そのファンド運用益から資金の助成を受けることができます。地域中小企業応援ファンドは、全国で31個のファンドがあり、各地の農林水産物や伝統技術を活用する商品開発・販路開拓の取り組みなどを支援します。

 

助成金・補助金の審査について知っておくべきこと

助成金・補助金の審査について知っておくべきこと

 

助成金や補助金の財源は、国民が負担する社会保険料や税金です。そのため、多くの国民の方々が納得できるような企業やその取り組みに対して助成金や補助金が支払われます。このことが、審査チェックポイントや補助金の採択につながっています。

 

助成金の審査チェックポイント

 

助成金は、基本的に要件を満たしていれば受給できるとお伝えしました。しかしながら、決して簡単であるともいえません。

 

助成金の財源は、雇用保険料がメインです。そのため、基本的に雇用保険に加入しており、保険料を納めていることが求められます。そして、労働関係の法令に違反がないことや、就業規則、出勤簿、賃金台帳、雇用契約書等の整備が求められます。

 

労働基準法によれば、常時使用する労働者が10人未満であれば、就業規則を作成する必要はありません。しかし、助成金には就業規則に明記し、その就業規則に則り制度を運用した場合に、受給できる助成金があります。

 

スタートアップ企業であれば就業規則を新しく作成することになるでしょうが、そのためには労働法を把握しなければなりません。このような書類の整備は想像以上に大変で、少しの注意不足や知識不足から、助成金の受給要件を満たせないケースは実際にあります。少しでも、書類の整備に不安のある方は、弁護士などの専門家に相談した方が良いでしょう。

 

補助金は採択される必要がある

 

補助金には比較的容易に受給できるものもありますが、多くの場合は補助金を受給のためには補助事業者として採択されなければなりません。採択されるためには、業種などの要件に適合するとともに、税金から補助金を支給しても多くの国民の方々が納得できるような事業計画を立て、書類を提出する必要があります。

 

補助金には公募要領がありますので、補助金の目的や申請要件を確認してください。その上で、計画書を作成し、補助対象経費を決定するなど申請を進めることになります。

 

また、多くの補助金では、申請書に記載された事業計画を評価するのは、外部有識者からなる審査委員会です。審査委員の担当者が、すべての業界や事業領域を詳細に知っているとは限りませんし、大量の書類をチェックしていることが想定されます。図や表を用いて、わかりやすく作成することが重要です。

 

つまり、この計画書の作成においては、公募要領の内容を十分に把握し、第三者の視点から納得できる内容としなければなりません。このような採択されやすい計画書を作成することは、専門家でなければ非常に難しいことだといえます。できるだけ確実に補助金を受給するためにも、実績の十分な専門家に依頼することをおすすめします。

 

助成金・補助金の申請の注意点

 

助成金も補助金も、自社に都合に良いタイミングでいつでも申請できるわけではありません。受付期間や申請の締切日が設定されています。

 

特に、助成金の場合は予算が決まっており、当初の締切日前にも関わらず予算額に達し、受け付けてもらえないこともあります。また、助成金も補助金も長い期間にわたって計画的に投資を行う必要がありますが、これがリスクとなります。

 

助成金の場合であれば、パート社員の正社員化を計画していたけれど、その社員が辞めてしまうといったリスクがあります。補助金の場合は、不採択となるリスクが考えられます。

 

また、助成金や補助金の支払いは後払いが基本です。そのため、キャッシュフローの状況には十分な注意が必要です。特に、補助金の場合は設備投資に伴って大きな金額を計画することも少なくありません。

 

たとえば、総額150万円かかる事業を計画し、補助金に採択され、その2/3の補助金を受け取ることが確約したとしましょう。しかし、まずは自己資金で150万円を準備しなければならないため、しっかりと計画を練る必要があるのです。

 

できるだけ速やかに、助成金申請に伴う書類の整備を行い、補助金の申請に必要な計画書を作成することは容易なことではありません。そして、実際に助成金や補助金を受給し、手元にお金が入るまでの流れも把握しなければ経営のリスクとなるため、助成金や補助金の専門家に相談する方が良いでしょう。

 

まとめ

 

会社設立してすぐに活用できる助成金や補助金の代表として、「キャリアアップ助成金」や「トライアル雇用助成金」、「小規模事業者持続化補助金」、「ものづくり補助金」があります。また、地域によってもスタートアップを支援する制度があり、東京都の創業助成金は充実した制度といえるでしょう。

 

しかし、助成金や補助金の申請を行うには、長期間にわたる投資の計画を立てる必要があり、また既存の法律を把握した上で、法律で求められた書類を準備しなければなりません。そのため、助成金や補助金に精通した弁護士などの専門家に相談し、サポートを受けることが受給への近道といえるでしょう。

 

これから会社設立をお考えの起業家の方や、創業から間もない経営者の方で、助成金や補助金の活用をご検討されている方は、ぜひたきざわ法律事務所にご相談ください。

 

たきざわ法律事務所では、業種に関わらずさまざまな企業様の法務サポートを実施させて頂いております。企業様に適した助成金や補助金をご提案するとともに、助成金や補助金の申請から活用まで企業様の業種や状況に応じ対応いたします。

 

 

 

 

 

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