たきざわ法律事務所

【2023】ChatGPTを商用利用する際の著作権は?弁護士がわかりやすく解説

この記事を書いた弁護士は…

 

 

 

 

 

ChatGPTがさまざまな場面で話題になっています。さっそく使ってみたという方も多いのではないでしょうか?

 

しかし、ChatGPTはまだ新しいサービスであり、法的な問題点の整理が済んでいるとは言い難い状況です。そこで今回は、ChatGPTの商用利用や著作権に焦点をあてて詳しく解説します。

 

ChatGPTとは

 

ChatGPTとはどのようなものなのでしょうか?はじめに、ChatGPTの概要を解説します。

 

ChatGPTとは何か

 

ChatGPTとは、アメリカのOpen AI社が開発をした対話生成AIです。ChatGPTは、ユーザーが入力した文章に対して、まるで人間が回答するチャットのように滑らかな返答を返してくれます。

 

このようなAIは英語のみに対応していることが多かった一方で、ChatGPTは日本語にも対応しています。たとえば、ChatGPTに「ChatGPTは誰が開発したの?」と入力すると、ものの数秒で次の返答が返ってきます。

 

ChatGPTはOpenAIが開発した、自然言語処理を行う人工知能のモデルです。OpenAIは、Elon Musk氏やSam Altman氏らが設立した、人工知能研究開発の非営利団体です。ChatGPTは、2019年6月に発表されたGPT-2の後継モデルであるGPT-3から更に改良を加えた、最先端の自然言語処理モデルの一つです。

 

ChatGPTとは

 

このように、ChatGPTは入力をしたコメントに対して、チャットのように返答を返してくれます。

 

ChatGPTの使い方

 

ChatGPTを使うためには、アカウントを登録しなければなりません。ChatGPTの公式ページから、まずアカウントを登録しましょう。ただし、GoogleアカウントやMicrosoftアカウントがあれば、これらのアカウントを使ってChatGPTにログインすることも可能です。

 

ログインをすると、「Send a message.」と記された入力欄が表示されるため、ここにそのまま文字を打ち込んでチャットを開始します。ChatGPTは、日本語入力にも対応しています。

 

ChatGPTでできる主なこと

 

ChatGPTでは、どのようなことができるのでしょうか?主にできることは、次のとおりです。

 

ChatGPTは発展途上であり、今後さらにさまざまな活用方法が登場することでしょう。

 

ソースコードの生成

 

ChatGPTでは、ソースコードを生成することができます。ただし、ChatGPTを使ってソースコードを生成するためには、入力する側にも多少のプログラム知識が必要となるでしょう。

 

記事構成の作成

多くの記事には、大見出しである「h2」や、これより小さな見出しである「h3」などの構成が存在します。ChatGPTは、テーマに合わせてこの記事構成を作成することが可能です。「弁護士とChatGPTに関するブログ記事構成をh3まで考えて」と入力してみたところ、次のように出力されました。

 

記事構成の作成

 

このように、非常に参考となる内容の出力が得られました。

 

記事の執筆

 

ChatGPTは、記事の執筆も得意としています。試しに「ChatGPTに関する弁護士事務所のブログを書いて」と入力したところ、次の文章が出力されました。

 

こんにちは、本日はChatGPTについてご紹介いたします。

 

ChatGPTは、人工知能の中でも最新鋭のGPT-3.5アーキテクチャに基づいて設計された大規模言語モデルです。OpenAIによって設計され、最新の自然言語処理技術を駆使して、ユーザーが簡単に自然な言葉でやりとりできるようになっています。

 

ChatGPTは、今までの自然言語処理技術を大幅に進化させ、人工知能による対話の精度を大幅に向上させました。ChatGPTを使用することで、人工知能と対話しながら、自然な文脈でのやりとりが可能となります。

 

また、ChatGPTは、ビジネスの場面でも使用されています。例えば、カスタマーサポート、営業サポート、自動応答、文章作成支援など、多岐にわたる場面で使用されています。

 

しかし、ChatGPTを使用する際には、注意点もあります。たとえば、ChatGPTはあくまでも機械であり、人間と同じように完璧ではありません。そのため、必ずしも正確な回答が返ってくるとは限りません。また、ChatGPTが会話の相手を拒否する場合もあります。

 

ChatGPTは、今後ますます発展していくことが期待されます。我々弁護士も、ChatGPTのような最新技術を積極的に取り入れ、より質の高いサービスを提供していきたいと考えています。

 

以上、ChatGPTに関する弁護士事務所のブログでした。ありがとうございました。

 

以上、ChatGPTに関する弁護士事務所のブログでした。ありがとうございました。

 

ChatGPTが書いたことを知ったうえでこれを読むと多少の違和感があるものの、これが何の前置きもなく法律事務所のホームページに掲載されていれば、ChatGPTが書いたものであることに気付けないかもしれません。

 

簡単な小説の執筆

 

ChatGPTは、簡単な小説の執筆も可能です。たとえば「弁護士が出てくる小説を書いて」と指示を出してみたところ、次のような返答が返ってきました。

 

突然、金融機関からの脅迫メールを受けた主人公・山下は、大きな事件に巻き込まれることになる。

金融機関は、山下が自分たちに借りたお金を返さなければ、法的措置を取ると脅迫してきたのだ。

山下は焦りながらも、自分が弁護士を持っていないことに気づき、近くの法律事務所に相談することにした。そこで出会ったのが、渋谷法律事務所の代表弁護士・渋谷剛志だった。

渋谷は山下の話を聞くと、まずは金融機関の正当性を確認することを提案した。調査の結果、金融機関は不当な脅迫行為をしていたことが判明した。

しかし、それだけでは事件は終わらなかった。金融機関は山下のプライベートな情報を入手しており、それを使って脅迫を続けていたのだ。

山下は渋谷に助けを求め、渋谷は金融機関に対して法的手段をとることに決めた。法廷での攻防が始まり、渋谷は巧みな弁論で金融機関を追い込んでいった。

そしてついに、山下は勝訴することができた。渋谷は山下に手厚いアフターフォローをするとともに、金融機関に対して再度の脅迫がないよう、厳格な監視を続けた。

事件が解決した後、山下は渋谷に感謝の言葉を贈った。渋谷は、自分が弁護士であることを改めて実感し、さらに一層の研鑽を積む決意をしたのだった。

 

渋谷は、自分が弁護士であることを改めて実感し、さらに一層の研鑽を積む決意をしたのだった。

 

このストーリーが面白いかどうかはさておき、このような非常に簡単な指示であっても、ものの数秒でこのような小説が出力されました。入力時により細かな場面設定などの指示をすることで、より巧妙な小説の出力が期待できます。

 

計算

 

ChatGPTに計算式を書き込むことで、計算結果を返してくれます。また、文章での計算にも対応しており、たとえば「330人の生徒を11クラスに分けると、1クラスあたりの人数は?」と入力した場合の返答は、次のとおりでした。

 

330人を11クラスに分けると、1クラスあたりの人数は30人となります。

計算方法は、330 ÷ 11 = 30 です。

 

計算方法は、330 ÷ 11 = 30 です。

 

メール文章の作成

 

ChatGPTでは、メール文章を作成することが可能です。たとえば、「今日初めて会った取引先に送るお礼のメールを書いて」と入力をすると、次の文章が返ってきました。

 

件名: 本日はありがとうございました

 

尊敬する〇〇さん、

 

本日はお忙しい中、弊社を訪問していただきまして誠にありがとうございました。私たちの商品やサービスにご興味をお持ちいただき、大変嬉しく思っております。

 

今回の面談で、貴社様のお考えやご意見をお聞きできたことは、私たちにとって非常に有意義な時間となりました。この機会を大変貴重に感じ、心より感謝申し上げます。

 

また、今後とも貴社様との取引が深まりますよう、スタッフ一同全力で取り組んでまいります。何かご不明な点やご要望がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

 

改めまして、貴重なお時間を割いていただきまして、誠にありがとうございました。

 

敬具

 

〇〇

 

改めまして、貴重なお時間を割いていただきまして、誠にありがとうございました。

 

この文章を活用してメールを送っても、相手はChatGPTを使って書いたことに気が付かないかもしれません。

 

ChatGPTは商用利用できる?

 

ChatGPTを、商用利用することは可能なのでしょうか?結論をお伝えすると、執筆時点である2023年4月現在、商用利用は特に制限されていないようです。ChatGPTの利用規約は日本語でも読むことができ、商用利用について次のQ&Aが公表されています。

 

ChatGPT の出力を商用利用できますか?

 

コンテンツ ポリシーと利用規約に従い、ChatGPT で作成した出力は、転載、販売、商品化する権利を含みます。出力が無料または有料のプランで生成されたかどうかは関係ありません。

 

つまり、ChatGPTのコンテンツ ポリシーと利用規約に従っているのであれば、ChatGPTを使って生成されたコンテンツを商用利用しても問題ないということです。商用利用ができるのは有料プランのみなどという制限もありません。

 

 

最適解を提案します

 

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ChatGPTを商用利用する際の主な注意点

 

ChatGPTを商用利用が利用規約で禁じられていないとはいえ、実際に利用する際には次の点に注意する必要があります。

 

情報が正確であるとは限らない

 

ChatGPTを商用利用する際にもっとも注意すべきことは、ChatGPTの返答が正確であるとは限らないということです。しかも、ChatGPTは虚偽の内容を非常にもっともらしく記載することがあり、一見すると情報を信じてしまいそうになるかもしれません。

 

そのため、ChatGPTが返した内容をそのまま信じてビジネスに活用することは、非常に高リスクであるといえるでしょう。特に、医療系の内容や法律系の内容についてChatGPTが返した内容をそのまま発信してしまうと、重大な事故やトラブルにつながるリスクがあります。

 

ChatGPTを商用利用する場合にはあくまでもたたき台を作成するなどの活用に留め、内容については別途吟味する必要があるでしょう。

 

機密情報は入力しないのがベター

 

ChatGPTに入力した情報はOpenAI社に閲覧される可能性があるほか、ChatGPTの学習に取り込まれる可能性があります。実際に、入力をしてしまった機密情報の内容と似た返答を、ChatGPTが返した事例もあるようです。

 

また、ChatGPT公式の「ChatGPT に関するよくある質問」では、次のQ&Aが公表されています。

 

私の会話をトレーニングに使用しますか?

 

はい。あなたの会話は、システムを改善するために AIトレーナーによって確認される場合があります。

 

 

これを受けAmazon社やMicrosoft社では、機密情報をChatGPTに入力しないよう従業員に対して注意喚起をしています。そのため、社内の機密情報はChatGPTに入力しないよう、徹底する必要があるでしょう。

 

社内規程を整備する必要がある

 

ChatGPTが非常に話題になっている昨今、従業員の中にはChatGPTに興味を持っている人や、実はChatGPTをすでに業務に活用しているという人もいることでしょう。しかし、ChatGPTには上で触れたとおり、内容の正確性や機密情報の点で不安が残ります。

 

そのため、早期にChatGPTの業務利用に関する企業のスタンスや社内規程を定め、これを社内に周知する必要があるでしょう。企業が何ら方針を公表していなければ、従業員がChatGPTに機密情報を入力してしまうかもしれません。

 

しかし、社内規程を整備するとしても、どこから取り組んだら良いのかわからない企業も少なくないかと思います。そのような際には、弁護士へご相談ください。

 

取引先のスタンスを確認する

 

特に取引先からコンテンツの作成を請け負う業務を担っている場合などには、ChatGPTに関する取引先の考え方を確認しておく必要があるでしょう。たとえば、ブログ記事の執筆やプログラミングを請け負っている場合、ChatGPTが返した内容をそのまま納品するのは問題外です。

 

しかし、たとえばブログ記事のおおまかな構成を検討する程度であればChatGPTを使って良いのか、ブログ記事本文も正確性さえ確認すればChatGPTを使って書いて良いのか、それともChatGPTをまったく使用すべきでないのかなどは、取引先の考え方次第でしょう。

 

仮に取引先のスタンスを確認することなく、請け負った業務に関して無断でChatGPTを使用してしまえば、後に発覚した際にトラブルとなるかもしれません。

 

ChatGPTを使った生成物に著作権はある?

 

著作権とは、思想や感情を創作的に表現したイラストや小説、ブログ記事など、あらゆる著作物を保護するための権利です。著作権が及ぶ範囲は非常に広く、プロが表現したものはもちろんのこと、一般個人が書いた小説やブログ記事なども思想や感情を創作的に表現したものでさえあれば、著作権の対象となります。

 

他人の著作物は原則として無断で使用することはできず、仮に無断で使用した場合には差止請求や損害賠償請求などがなされるかもしれません。

 

では、ChatGPTを活用した生成物は、著作権の対象となるのでしょうか?

 

著作権の発生有無はケースバイケース

 

ChatGPTが生成した文章やプログラムが著作権の対象となるかどうかはケースバイケースです。その一つの判断基準は、その生成物が「思想や感情を創作的に表現した」ものであるかどうかです。

 

まず、「思想や感情を創作的に表現」することができるのは、人間のみです。いくら芸術的に見える絵画であっても象が鼻で描いた絵が著作権の対象とならないように、いくらChatGPTが芸術的な小説を書いても、それのみでは著作権の対象とはなりません。なぜなら、ChatGPTは人間ではなく、ChatGPT自体が思想や感情を創作的に表現することはできないためです。

 

そこで重要となるのが、ChatGPTを創作の道具として活用する人間が、ChatGPTのアウトプットに対してどこまで寄与したのかという点です。たとえば、ChatGPTに対して単に「何か面白い小説を書いて」と指示をして出力された文章は、著作権の対象とならない可能性が高いでしょう。この場合には、出力された結果が人間の「思想や感情を創作的に表現」したものであるとは言い難いためです。

 

一方、ChatGPTに面白い小説を出力させるために検討を重ね、登場人物や場面描写などを細かく指示をした結果ChatGPTが文章を出力した場合、これは著作権の対象になる可能性があります。

 

このように、ChatGPTが出力した文章が著作権の対象となるかどうかは、人間が関与した度合いや過程などによってケースバイケースです。ChatGPTの著作権について紛争が生じている場合や紛争を予防したい場合などには、弁護士へ相談することをおすすめします。

 

著作権が発生する場合には利用者に帰属する

 

ChatGPTで出力をした文章に著作権が生じる場合、その著作権は原則としてユーザー自身に帰属します。ChatGPT自身はシステムであり、システムそのものに著作権が帰属することはありません。

 

最適解を提案します

 

最適解を提案します

 

ChatGPTを使った生成物で利用者が被害を受けた場合の責任は?

 

ChatGPTは、インターネット上に存在する膨大なテキストや画像などをトレーニング(機械学習)の材料としています。そして、ChatGPTが参考にしているテキストや画像などは、大半が誰かの著作物です。

 

つまり、ChatGPTは他者の著作物を膨大に吸収した結果、それらの情報を参考に出力をしているということです。結果的に、誰かの著作物と非常に類似した結果を出力する場合もあるでしょう。

 

では、ChatGPTを使って生成した文章について仮に第三者から著作権侵害であるとして訴えられた場合、誰が責任を負うことになるのでしょうか?

 

これは、非常に難しい問題です。そもそも、仮に非常に類似した著作物を生成した場合であっても、単に「似ている」のみであり実際に他者の著作物に準拠して作成したものでないのであれば、著作権侵害は成立しません。たとえば、Aさんがある構図で撮影した風景写真がBさんの撮影した写真とほとんど同じ構図であったとしても、AさんがBさんの撮った写真の存在を知らず単なる偶然の一致なのであれば、著作権侵害にはならないということです。

 

しかし、これがChatGPTを使って生成したものであれば、難しい問題をはらみます。なぜなら、ChatGPTを使って文章を生成したAさんはBさんが書いたもともとの文章の存在を知らなかったとしても、ChatGPTがBさんの書いた文章を参考にして出力している可能性があるためです。このあたりについては、今後判例の蓄積が待たれるところでしょう。

なお、ChatGPTには著作権に関する苦情申立てフォームが存在します。

 

 

ChatGPTには著作権に関する苦情申立てフォームが存在します。

 

自身の著作物と似た結果が出力されているなど著作権に関して苦情を申し入れたい場合には、公式フォームから連絡をすることも一つの手です。ChatGPTにまつわる著作権でお困りの際には、インターネット法務や著作権にくわしい弁護士へご相談ください。

 

まとめ

 

ChatGPTは規約上、商用利用をすることも可能です。しかし、ChatGPTが出力する内容は正確でないこともあり、また入力した情報はAI学習に活用される可能性があります。

 

そのため、ChatGPTを商用利用する際には特徴や注意点をよく理解したうえで、活用場面を限定するなどの対策が必要となるでしょう。

 

また、ChatGPTは著作権の点でも懸念が残ります。ChatGPTにまつわる著作権でお困りの際には、個々の状況に応じて弁護士へ相談すると良いでしょう。

 

たきざわ法律事務所では、インターネット法務に力を入れています。ChatGPTの商用利用にまつわる社内規程の整備や著作権侵害などでお困りの場合には、たきざわ法律事務所までご相談ください。

 

 

 

 

 

この記事を書いた弁護士は…

 

サンカラ

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