たきざわ法律事務所

【2022】事業計画書の書き方のポイントは?弁護士がわかりやすく解説

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融資の申し込みや補助金の申請にあたっては、事業計画書の提出が必要となることが少なくありません。では、事業計画書は、どのように作成すれば良いのでしょうか?また、どのような点に注意をして作成するべきなのでしょうか?

 

今回は、事業計画書の書き方や作成する際のポイントなどについて解説します。

 

事業計画書とは

事業計画書

 

事業計画書とは、企業のビジョンや行おうとしている事業の内容、損益計画、資金繰り計画などをまとめた計画書です。

 

新たな事業を行おうとする際、経営者の頭の中には、どのような商品(サービス)をどのような方法で販売し、どの程度の売上が見込めて、収益性がどの程度見込めるかなどという青写真があることかと思います。しかし、ただ経営者の頭の中にあるだけでは、他者がそれを見ることはできません。

 

一対一で時間をかければ、事業内容を口頭で説明することはできるでしょう。しかし、たとえば金融機関からの融資を受ける際には融資担当者のみが融資の可否を判断するわけではなく、担当者が稟議書を作成し、最終的には支店長など別の人が融資の可否を判断します。

 

その際に、口頭での説明をすべて稟議書へ落とし込むことはひと苦労であり、正確に情報を伝えることも困難でしょう。また、補助金の申請にあたっては、補助金事務局が1件1件口頭で事業計画をヒアリングしてくれるわけではありません。

 

そのため、口頭での説明ではなく、経営者の頭の中にある青写真を、他者にも分かるように説明した資料が必要となります。これが、事業計画書です。

 

事業計画書を作成する目的

事業計画の目的

 

事業計画書を作成する場面は、さまざまです。主な場面としては、次の場合が挙げられるでしょう。

 

経営者として経営の進捗状況を管理するため

 

事業計画書は、どこかへ提出するためのみに作成するものではありません。

 

本来は、経営者が自身の経営の道筋を立てたり、作成をした事業計画書を定期的に確認しながら計画と実際の進捗とのズレを把握したりするために作成するものです。いわば、経営の行先と途中経過を記したオリジナルのナビゲーションシステムのようなものであるとイメージすると良いでしょう。

 

もちろん、経営には不測の事態はつきものですので、計画をした通りに進むとは限りません。むしろ、計画通りに進むことの方が稀でしょう。

 

しかし、事業のスタート時にしっかりと事業計画書を作り込んでおくことで、本来進むべき方向からのズレや、当初計画からの遅れなどに気づき、次なる対策を立てやすくなります。

 

自社の進むべき道を従業員と共有するため

 

事業計画書は、自社の進むべき道を従業員と共有するためのツールとして使用することも可能です。自社のビジョンを示し、そのビジョンへ向けた具体的な数値目標や今後の出店計画など事業成長への道を示すことで、従業員のモチベーションアップへつながる効果が期待できます。

 

金融機関から融資を受けるため

 

事業計画書を作成する場面としてもっとも一般的なのは、金融機関への融資申し込みです。

 

金融機関から融資を受けるにあたっては事業計画書の提出が求められることが多く、この事業計画書の内容が融資の可否を左右することも少なくありません。

 

融資の際に提出する事業計画書では、特に返済が十分可能な資金繰り計画となっているかどうかが重点的に確認されます。

 

補助金の申請をするため

 

補助金とは、国や地方公共団体などから返済不要な資金を得られる制度です。

 

補助金は要件を満たして応募をしたからと言って必ずしも受け取れる性質のものではなく、多数の応募の中から採択がされて、はじめて受給することができます。

 

補助金は、その年度の政策が色濃く反映されたものです。そのため、今年存在した補助金が、来年も存在するとは限りません。

 

また、補助金には非常に多くの種類が存在し、最大数十万円の補助が受けられるものから、最大数千万円など多額の補助金が受け取れる大型のものまで存在します。2022年度においては、「ものづくり補助金」と「事業再構築補助金」が特に大型の補助金であるといえます。

 

補助金の申請をする際には、事業計画書の添付が求められることが少なくありません。補助金の申請時に提出をする事業計画書では、補助金を受けた事業の収益性や成長性、実現可能性などが特に重視される場合が多いでしょう。

 

ベンチャーキャピタル(VC)などから出資を受けるため

 

ベンチャーキャピタル(VC)とは、事業へ出資する見返りに、企業の株式を取得するファンドです。その後、会社が成長して上場をしたり他社へ買収されることとなったりした際に、株式を売却し売却益を得ることを主な目的としています。

 

株式の取得を見返りとした出資であるため、融資と異なり返済は必要ありません。

 

VCから出資を受けるに際しては、事業計画書の提出が求められることが一般的です。この際には、事業の新規性や成長性、収益性などが特に重視されることが多いでしょう。

 

事業計画書には決まった様式・テンプレートはある?

 

事業計画書を作成する際、どの様式で作成すればよいのか迷ってしまうこともあるかと思います。では、事業計画書には、決まった様式はあるのでしょうか?

 

事業計画書に統一様式はない

 

事業計画書には、統一された様式があるわけではありません。そのため、事業計画書を作成する目的に応じて、任意の様式で作成をすれば良いでしょう。

 

ただし、相手の見たいポイントをしっかりと盛り込んで作成することが重要です。

 

提出先によっては様式が決まっていることがある

 

事業計画書を提出する先によっては、様式が決まっている場合があります。たとえば、日本政策金融公庫へ融資を申し込む際には、日本政策金融公庫の所定様式で事業計画書を作成するべきでしょう。

 

そのため、決まった様式があるのか任意様式で良いのか、あらかじめ提出先へ確認しておくことをおすすめします。

 

参考:事業計画書(中小企業経営力強化関連用)(日本政策金融公庫)

 

事業計画書の書き方・書くべき項目

事業計画に盛り込むべき項目

 

事業計画書へ一般的に書くべき内容や、それぞれの項目の書き方は次のとおりです。

 

企業名等

 

企業名や、個人事業であれば事業者名と屋号を記載します。こちらは、誤りのないよう正確に記載すれば構いません。

 

経営者のプロフィールと略歴

 

経営者(個人事業主自身や、法人であれば役員全員)のプロフィールと略歴を記載します。

 

可能な限り、今回行おうとしている事業の内容とリンクさせるように記載してください。なぜこのメンバーでこの事業を行おうとしているのかが読み手に伝わると良いでしょう。特に、今回行おうとしている事業に関連する経験がある場合には、その経験をしっかりと記載します。

 

ビジョンや目標

 

事業計画書においては、ビジョンや目標が相当程度重視されます。ビジョンや目標を明確にし、他の項目はこれと一貫性を持たせるように記載すると良いでしょう。

 

事業計画書はその時点では開始していない事業に関して書くことが多く、まだその事業の実績を明確に示すことはできません。だからこそ、想いの部分が相当程度重視されるといえます。

 

起業の動機

 

今回行おうとしている事業内容について、ビジョンや目標と関連づけながら起業の動機をしっかりと記載します。可能であれば、過去の経歴ともリンクさせながら記載すると良いでしょう。

 

事業コンセプト

 

今回行おうとしている事業のコンセプトを、明確に記載します。ここでは、次の内容などについて説明をしてください。

 

  • 商品・サービスの内容:どのような商品(サービス)を提供するのか、その業界に詳しくない人でも理解ができるように詳しく記載します。

  • ターゲット層:主にターゲットとする顧客層について、できるだけ明確に記載します。

  • サービス・商品の提供方法:サービスや商品をどのように提供するのか(例:冷凍の自動販売機で販売する、等)について、明確に記載します。

  • 販売やマーケティング戦略:いくらよい商品であっても、人通りの少ない通りに面した店先に並べているだけで売れることはほとんどありません。そのため、どのようなチャネル(例:インターネット通販で販売する、等)で販売するのか、またどのようなマーケティング戦略をもって販売するのかを説明します。

 

これらの項目は、他社との差別化を意識しながら記載すると良いでしょう。

 

市場環境と競業の状況

 

市場の環境や競合他社の状況など、外部的な要因について記載します。ここをきちんと記載することで、外部環境をしっかり分析をしたうえでの計画であることのアピールともなります。

 

自社の強み

 

1つ上で解説をした「競合の状況」を踏まえ、競合他社と比較をした自社の強みを記載します。今回行おうとする事業へ他者が容易に参入できないことや、他者には真似できない自社ならではの強みがあることをアピールできると良いでしょう。

 

販売計画

 

今回販売する商品やサービスがどのチャネルでどの程度売れることを見込んでいるのかについて、計画を記載しましょう。単なる希望的観測ではなく、たとえば競合の状況や地域住民の数、事前の調査結果など、何らかの根拠をもとに数字を挙げると説得力が高まります。

 

仕入計画

 

事業計画書には、仕入計画も記載しましょう。いくら販売見込みが良好であったとしても、仕入先の見込みが立っていなければ、絵に描いた餅となってしまうためです。

 

主要な商品や事業に必須となる備品などについて、どこからどの程度仕入れる予定であるのか、計画を記載します。

 

損益計画

 

損益計画は、事業計画書の要となる項目の1つです。その事業でどの程度の利益が見込める予定であるのか、具体的な数値をもって、おおむね3年から5年程度の見通しを記載しましょう。

 

いくらビジョンが素晴らしくても利益が見込めないのであれば、それはボランティア活動であり、健全な事業であるとはいえません。そのため、十分な利益が見込めない事業計画では、融資を受けたり補助金を獲得したりすることは困難です。

 

事業に十分な利益が見込めないのであれば、専門家のアドバイスを受けつつ、利益が出る事業内容へ大幅な見直しが必要となります。

 

最適解を提案します

 

最適解を提案します

 

資金繰り計画

 

資金繰り計画とは、今後3年から5年程度先までのお金の流れについての計画です。こちらも、事業計画書で特に重視される項目の一つです。なぜなら、いくら利益が出ていても、お金が足りなくなってしまえば事業は倒産してしまうためです。

 

また、融資を受ける場合には、融資の返済原資が十分に確保できるかどうかの確認ともなります。そもそも返済が難しいような計画であれば、お金を借りることはできません。

 

スケジュール

 

事業計画書には、今後3年間から5年間における具体的なスケジュールを記載すると良いでしょう。たとえば、従業員の採用計画やホームページの開設予定、2店舗目の出店予定などを盛り込みます。

 

融資が通る事業計画書の書き方のポイント

事業計画書のポイント

 

融資の申し込みにあたって事業計画書を作成する場合、融資を通すための事業計画書の書き方の主なポイントは次のとおりです。

 

事業内容が第三者にもわかるよう丁寧に作成する

 

事業内容は、その業界に詳しくない第三者が見ても理解できるように作成しましょう。

 

たとえば、その業界の人から見たら当たり前に使われる用語であっても、金融機関の担当者にとっては馴染みがない場合も少なくありません。そのため、専門用語はできるだけ使用しないか、使用する場合には丁寧な注釈を付けるなどしてください。

 

また、その業界の人から見たらこれまでの常識とは違って「すごい」と思うような事業内容であったとしても、そもそもその業界の常識を知らなければ、その点が伝わらない可能性があります。

 

そのため、これまでの業界の常識を覆す画期的な事業内容である場合には、これまでの業界の常識についても丁寧に説明し、どの点で差別化を図っているのかがわかるよう丁寧に説明すると良いでしょう。

 

根拠のある計画を立てる

 

事業計画書の内容は全体の整合性を意識し、根拠のある計画を記載しましょう。

 

順調に商品やサービスが売れる販売計画や順調に収益が上がる損益計画を立てたとしても、それが単なる希望的観測であり何ら根拠の説明ができなければ、実現性に疑問が持たれてしまいかねないためです。

 

たとえば、競合商品の状況や事前調査をした結果など何らかの根拠を持って作成し、その根拠を事業計画書内に記載してください。

 

返済計画を明確にする

 

金融機関が融資の可否を決めるもっとも重要な判断ポイントは、その融資がきちんと返済してもらえるかどうかという点です。金融機関もビジネスですので、返せる見込みの薄い相手に融資をしてくれることはありません。

 

そのため、事業計画書では、資金繰り計画に融資の返済についてもしっかりと盛り込み、無理なく返済が可能であることを明確に記載しましょう。

 

熱い想いやビジョンが伝わるように作成する

 

これから新たな事業を始める場合には、その事業の収益性などを結果で示すことはできません。ある程度の根拠をもとに損益などの数値計画は作成するものの、あくまでも見込みでしかないわけです。

 

また、コロナ禍で経営状況が一変した企業が多いように、不測の事態が生じる可能性もあることでしょう。このような前提を補完するため、金融機関は経営者の想いやビジョンも重視しています。

 

ビジネスを精神論のみで語ることはできませんが、それでも事業立ち上げ当初は経営者の熱い想いやビジョンが推進力となる面も多分にあると考えられるためです。

 

また、金融機関としても、熱い想いやビジョンを持った経営者を応援したいと考えていることが少なくありません。そのため、事業計画書には、事業へ込めた想いやビジョンをしっかりと記載しておきましょう。

 

専門家のサポートを受けながら作成する

 

事業計画書は、自社のみで作成することも可能です。

しかし、より融資が通りやすい内容に仕上げるためには、専門家のサポートを受けると良いでしょう。なぜなら、専門家は融資審査の際に金融機関が重視するポイントを熟知しており、そのポイントを踏まえて事業計画書を作成するためです。

 

また、専門家という外部の視点が入ることで、現在検討が不足している事項や詰めの甘い事項などに気づきやすくなり、事業計画書をより練り込むことが可能となります。

 

まとめ

 

事業計画書の書き方には多くのポイントが存在します。これらのポイントを踏まえて事業計画書を作成することで、より融資審査に通る可能性を挙げることにつながるでしょう。

 

しかし、ポイントを踏まえた事業計画書を自社のみで作成することは容易ではありません。そのため、事業計画書の作成は、専門家とともに行うことをおすすめします。

 

たきざわ法律事務所は、企業の資金調達サポートに力を入れています。事業計画書の書き方や資金調達でお困りの際には、ぜひたきざわ法律事務所までご相談ください。

 

 

 

 

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サンカラ

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