【2026】工事に関する私道トラブルの対策・対処法は?弁護士がわかりやすく解説
土地の周辺道路が他者の所有する私道である場合、工事に際してトラブルが生じることがあります。
では、私道にまつわる工事トラブルには、どのようなものがあるのでしょうか?また、工事に関して私道トラブルが発生したら、どのように対処すればよいのでしょうか?
今回は、工事に関する私道トラブルの概要やトラブルとなった場合の対処法、私道トラブルの予防策などについて弁護士がくわしく解説します。
なお、当事務所(たきざわ法律事務所)は不動産法務に特化しており、工事に関する私道トラブルについて豊富な解決実績を誇っています。工事に際して、私道に関するトラブルが生じてお困りの不動産オーナー様や不動産会社様は、たきざわ法律事務所までお気軽にご相談ください。
目次
私道と公道の違い
はじめに、私道と行動の違いについて概要を解説します。
公道とは?
公道とは、国や都道府県、市区町村などが所有する道路です。複数車線がある車通りの多い道路などは、公道であることが多いでしょう。公道の場合、道路の維持・修繕費用も所有者である国などが負担します。
私道とは?
私道とは、一般個人や民間企業などが所有する道路です。私道の維持管理費用は、私道の所有者が負担するのが原則です。また、私道をどのように使うかも原則として私道所有者の自由であり、私道上に物を置いたり私道を廃止したりすることもできます。
ただし、私道の中には「建築基準法上の道路」に指定されているものもあります。建築基準法上の道路とは、建築基準法によって指定された道路です。
前提として、公道に2メートル以上接していない土地には建物を建てることができません。そこで、一定の私道を設けて建築基準法の道路として指定を受けることで、その道路に2メートル以上接する土地には建物を建てることが可能となります。
建築基準法上の道路に指定されている場合は私道所有者の権利は制限され、所有者であっても私道を自由に廃止したり勝手に通行止めにしたりすることはできません。
私道と公道の主な違い
私道と公道では、その道路の維持管理費用の負担者が異なります。公道であれば、その所有者である国や地方公共団体が維持管理費用を拠出するのに対し、私道であれば原則としてその所有者が維持管理費用を負担します。
また、公道の場合は工事のための掘削ではその道路管理者の許可を受ける必要がある一方で、私道を掘削する場合は、原則としてその所有者である個人(または企業)の許可が必要です。ただし、インフラを引き込むための一定の掘削であれば、所有者への通知で対応できます。
私道と公道の見分け方
ある道路が私道であるか公道であるかを、現地で確実に見分けることはできません。私道であるか公道であるかを把握するには、道路の用に供されているその土地の登記簿謄本(全部事項証明書)を確認することが確実です。
土地の登記簿謄本は全国の法務局で誰でも取得できるため、購入しようとする土地の前面道路が公道か私道か確認したい場合には、登記簿謄本を取得して確認するとよいでしょう。
私道の工事トラブルの例
土地の周囲に私道がある場合、工事に関してトラブルとなることがあります。ここでは、私道に関する主な工事トラブルを3つ解説します。
- 工事車両의 通行が許可されず物件の工事が進められない
- 私道の掘削が承諾されずインフラの引き込みが行えない
- 高額な通行料・掘削料を請求された
工事車両の通行が許可されず物件の工事が進められない
1つ目は、工事車両の通行に関するトラブルです。
自身の所有する土地上に建物を建築する際には、工事車両の乗り入れが必要となることが多いでしょう。しかし、建築現場付近の道路が私道である場合、私道所有者から工事車両の通行を拒まれ、工事がストップするケースがあります。
なお、私道が建築基準法上の道路として指定されているのであれば、たとえ私道所有者であっても工事車両の通行を妨害することはできません。また、通行にあたって通行料を請求することもできないのが原則です。
私道の掘削が承諾されずインフラの引き込みが行えない
2つ目は、私道の掘削に関するトラブルです。
水道やガスなどのインフラ設備は、地中に埋葬されていることが一般的です。そのため、新たに建築する建物に水道やガスなどを引き込む際は、管が埋設されている道路を掘削する必要が生じます。
しかし、掘削を必要とする道路が私道である場合、私道の所有者が掘削を承諾せず、インフラ引き込みの工事が進められないトラブルが想定されます。
なお、2023年4月に施行された改正民法により、インフラを引き込むための私道掘削について、私道所有者の承諾が権利化されました(民法213条の2)。改正後はインフラを引き込むために私道所有者の承諾を得る必要はなく、私道所有者へ掘削の目的や方法、日時などを通知することでインフラ引き込みの掘削工事が可能となっています。
ただし、この場合には私道所有者への損害が最も少ない方法を選ばなければなりません。また、状況に応じて一定の償金の支払いも必要です。
高額な通行料・掘削料を請求された
3つ目は、高額な通行料や掘削料を請求されるトラブルです。通行や掘削を直接的に妨害こそしないものの、法外な通行料や掘削料を請求されてトラブルに発展することがあります。
この場合は、早期に弁護士にご相談ください。一般的には、弁護士からのアドバイスを受けて適正と思われる額を法務局に供託したうえで、通行や掘削を進めることとなります。
私道の工事に関してトラブルが生じてお困りの際は、たきざわ法律事務所までご相談ください。当事務所は不動産法務に力を入れており、私道に関するトラブルについても豊富な解決実績を有しています。
私道の掘削工事でトラブルが生じた場合の対処法
私道の掘削工事に関してトラブルが生じたら、どのように対処すればよいのでしょうか?ここでは、トラブル発生時の一般的な対処方法を解説します。
- 弁護士に相談する
- 補償金額を提示して話し合う
- 弁護士が代理で交渉する
- 通知・供託をして掘削工事を行う
弁護士に相談する
工事にあたって私道に関するトラブルが生じたら、早期に弁護士にご相談ください。弁護士に相談することで、具体的な状況を踏まえた的確な解決策の検討が可能となります。
工事に関する指導トラブルでお困りの際は、たきざわ法律事務所までお気軽にご相談ください。
補償金額を提示して話し合う
第三者とのトラブルであれば、はじめから弁護士が代理で交渉する方が効率的です。しかし、私道に関するトラブルの場合、両当事者が今後も近くに住み顔を合わせることとなります。そのため、可能な限り円満な解決を目指すのが、長期的に見れば得策であることも多いでしょう。
出来るだけ円満な解決を目指す場合は、弁護士から受けたアドバイスを踏まえ、まずは両当事者が直接話し合って解決をはかります。私道の掘削や、建築基準法上の道路ではない私道の通行など一定の償金の支払いが必要となるケースでは、一般的に適正とされる額の償金の支払いを申し出ることで、トラブル解決に至る可能性があります。
弁護士が代理で交渉する
当事者間での話し合いでは解決に至らない場合は、弁護士が代理で交渉や説明をして解決をはかります。
相手方が、現行の法令を正しく理解していないケースも少なくありません。たとえば、「インフラ引き込みのためであっても、絶対に私道所有者の承諾が必要だ」や「私道であれば、たとえ建築基準法上の道路であっても私道所有者が自由に通行料を決められる」などの誤解は散見されます。この場合、弁護士が丁寧に説明することで理解が得られる可能性があります。
また、弁護士が交渉に当たることは「この段階で交渉がまとまらなければ訴訟などに発展する」とのメッセージともなります。そのため、大ごとになるのを避けたいとの考えから、交渉が成立することもあるでしょう。
通知・供託をして掘削工事を行う
先ほど解説したように、インフラ引き込みのための私道掘削であれば、私道所有者の承諾は必要ありません。この場合に償金の額の交渉がまとまらないのであれば、私道所有者に掘削日時などを通知し、適正であると考える額の償金を供託したうえで工事を行うこととなります。
私道所有者がこれでもなお供託された償金の額に納得しない場合は相手方から訴訟が提起され、訴訟によって償金の適正額の判断を受けることとなります。
私道の工事トラブルを避ける対策
工事にまつわる私道トラブルを避けるには、どのような対策を講じればよいのでしょうか?ここでは、私道トラブルを避ける主な対策を3つ解説します。
- 購入前に道路の権利関係を確認しておく
- 売主から過去のトラブルなどを確認しておく
- 購入前に工事の承諾を取り付ける
購入前に道路の権利関係を確認しておく
1つ目は、土地購入前に道路の権利関係を確認しておくことです。
前面道路やその土地を利用するにあたって必要不可欠な道路が他者の所有する私道である場合、工事だけではなく、購入後もさまざまなトラブルが生じる可能性があります。そのため、購入前に道路の権利関係を確認し、私道であればその土地を購入するか否か慎重に検討することをおすすめします。
売主から過去のトラブルなどを確認しておく
2つ目は、土地の売主から過去の近隣トラブルの有無を確認しておくことです。
過去に近隣トラブルが生じている場合、今後も私道に関してトラブルが生じる可能性があります。そのため、土地の売主から過去の近隣トラブルを確認したうえで、トラブルがあった土地の購入は控える方が無難でしょう。
購入前に工事の承諾を取り付ける
3つ目は、土地購入前に工事の承諾を取り付けることです。
土地を購入してから私道トラブルが勃発した場合、その時点から土地の売買契約を白紙に戻すのは困難でしょう。そのため、可能な限り購入前に私道所有者を含む近隣住民に挨拶をして、工事車両の通行や土地掘削に関する承諾を取り付けておくと安心です。
なお、先ほど解説したようにインフラ引き込みのための掘削は通知だけでよく、本来は私道所有者の承諾は必要ありません。とはいえ、一方的な通知により掘削をすれば相手が気分を害してトラブルとなる可能性があるため、可能な限り承諾を得るよう努めると円満な関係を築きやすいでしょう。
私道の工事トラブルはたきざわ法律事務所へご相談ください
私道の工事トラブルは、たきざわ法律事務所へご相談ください。ここでは、当事務所の主な特長を3つ紹介します。
- 不動産会社様・不動産オーナー様へのサポート実績が豊富である
- 状況に応じた解決策を検討する
- フットワークが軽い
不動産会社様・不動産オーナー様へのサポート実績が豊富である
たきざわ法律事務所は不動産法務に特化しており、不動産会社様や不動産オーナー様への豊富なサポート実績を有しています。私道の工事トラブルへの対応実績も豊富であるため、安心してご相談いただけます。
状況に応じた解決策を検討する
たきざわ法律事務所は決まった型に当てはめてトラブルの解決をはかるのではなく、状況やご相談者様のご希望に合った的確な対応策を模索し、提案しています。そのため、多くのご依頼者様から「任せてよかった」とのありがたいお声をいただいています。
フットワークが軽い
たきざわ法律事務所は、フットワークの軽さをウリとしています。「できるだけすぐに相談したい」などのご希望にも可能な限りお応えするため、ご希望がある際はお気軽にお伝えください。
私道の工事トラブルに関するよくある質問
最後に、私道の工事トラブルに関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。
私道の掘削工事では必ず承諾が必要?
インフラを引き込むための私道の掘削工事では、私道所有者の承諾は必要ありません。事前に掘削の目的や日時などを所有者や現使用者に通知し、一定の償金を支払うことで、適法に掘削できます。
ただし、今後も良好な関係を築くためには一方的に通知するのではなく、可能な限り承諾を得るよう努めるとよいでしょう。
私道の工事でトラブルとなった場合の相談先は?
私道の工事でトラブルとなった場合は、不動産法務に注力している弁護士にご相談ください。弁護士に相談することで、状況に応じた具体的な解決策を見つけやすくなります。
工事に関する私道トラブルでお困りの際は、たきざわ法律事務所までお気軽にご相談ください。
まとめ
工事に関する指導トラブルの例を紹介するとともに、工事での私道トラブルを避ける対策やトラブルが生じた場合の対処法などを解説しました。
工事に関する私道トラブルとしては、工事車両の通行が妨害されるトラブルや掘削が承諾されないトラブル、高額な通行料・承諾料を求められるトラブルが挙げられます。工事にあたって私道トラブルが発生したら、早期に弁護士へ相談ください。弁護士へ相談することで条項に応じた具体的な対処法の検討が可能となるほか、必要に応じて相手方と代理で交渉してもらうことも可能となります。
たきざわ法律事務所は不動産法務に特化しており、不動産会社様や不動産オーナー様への豊富なサポート実績を有しています。工事に関する私道トラブルでお困りの際は、たきざわ法律事務所までお気軽にご相談ください。



