【2026】元請・下請間で生じやすいトラブルは?主なトラブルと予防策を弁護士が解説
建設工事の元請・下請間において、トラブルが生じることがあります。建設工事では動く金額も大きいため、いざトラブルが発生すると解決が難航しやすいでしょう。
では、元請・下請間で生じやすいトラブルには、どのようなものがあるのでしょうか?また、トラブルを予防するには、どのような対策を講じればよいのでしょうか?今回は、元請・下請間で生じやすい主なトラブルを紹介するとともに、トラブルの予防策や対処法などについて弁護士がくわしく解説します。
なお、当事務所(たきざわ法律事務所)は、元請・下請間のトラブルについて豊富な解決実績を誇っています。工事に関してトラブルに発展してお困りの事業者様は、たきざわ法律事務所までお気軽にお問い合わせください。
目次
元請・下請間で生じやすい主なトラブル
はじめに、元請・下請間で生じやすい主なトラブルを5つ解説します。
- 工事代金が未払いとなる
- 下請代金が一方的な減額される
- 追加工事代金が支払われない
- 工事が一方的に解除される
- 施主から問われた契約不適合責任を押し付けられる
工事代金が未払いとなる
1つ目は、工事代金が未払いとなるトラブルです。
元請企業が支払期日になっても工事代金を支払わない場合のほか、「施工に不備がある」など何らかの理由をつけて工事代金を支払ってもらえない場合もあるでしょう。
下請代金が一方的な減額される
2つ目は、下請代金が一方的に減額されるトラブルです。
「施主から値下げ交渉をされたから」や「施工に不備があったから」など、何らかの理由をつけて一方的に下請代金が減額されるトラブルが散見されます。
追加工事代金が支払われない
3つ目は、追加工事代金が支払われないトラブルです。
工事請負契約を締結した後で、追加の工事が発生する場合があります。元請会社から追加工事を行うよう指示されてこれを工事したものの、その分の代金が支払われないトラブルなどがこれに該当します。
工事が一方的に解除される
4つ目は、工事が一方的に解除されるトラブルです。
何らかの事情で元請会社と施主間の工事請負契約が解除されたことを受けて、元請会社と下請会社とで締結していた工事請負契約も一方的に解除され、そこまでに行った工事の代金さえ支払われない場合などがこれに該当します。
施主から問われた契約不適合責任を押し付けられる
5つ目は、施主から問われた契約不適合責任を押し付けられるトラブルです。
完成物に契約に適合しない点がある場合、元請会社が施主から責任を問われることとなります。たとえば、床材が無垢材と指定されていたにもかかわらず、複合材で施工されている場合などがこれに該当するでしょう。
契約不適合責任では、施主から工事のやり直し(追完)や代金減額、損害賠償、契約解除などがなされる可能性があります。
この場合、下請会社は元請会社からの指示に従って施工したにもかかわらず、元請会社から契約不適合責任を押し付けられ、無償でのやり直しを命じられたり一方的に請負代金を減額されたりするトラブルが散見されます。
元請・下請間でのトラブルを避ける対策
元請・下請間でのトラブルを避けるには、どのような対策を講じればよいのでしょうか?ここでは、主な対策を4つ解説します。
- 契約書をきちんと取り交わす
- 請け負う工事の範囲を明確にする
- 追加工事が発生したらその都度書面を取り交わす
- 工事の記録を残す
契約書をきちんと取り交わす
元請・下請間でのトラブルを避けるには、契約書をきちんと取り交わしておくべきでしょう。契約書がなくても契約自体は成立します。
しかし、契約書がなければ「その金額で工事を請けることに合意した」との証拠が乏しく、未払いとなった際の対応のハードルが高くなるおそれがあるためです。
請け負う工事の範囲を明確にする
契約書では、「どの範囲の工事がいくらなのか」がわかるよう、工事の範囲を明確にしておきましょう。工事の範囲を明確にすることで、追加工事が発生した際に追加分の請求がしやすくなるためです。
追加工事が発生したらその都度書面を取り交わす
追加工事が発生したら、その都度追加額などを定めた書面を取り交わしておきましょう。口頭での追加工事について取り決めることや、追加報酬を定めないまま追加工事を行うことはトラブルの原因となりやすいため、おすすめできません。
工事の記録を残す
トラブルを避けるには、工事の記録を残しておきましょう。後からの改ざんがしづらい形で日々工事の記録を残しておくことで、施主から契約不適合責任を追及された際に自社の問題の有無や責任の範囲を証明しやすくなります。
【一般的なトラブル】元請・下請間でトラブルが生じた場合の対処法
建設業の元請・下請間でトラブルが発生したら、どのように対処すればよいのでしょうか?ここでは、一般的なトラブルの対処法を解説します。
- トラブルの証拠を残す
- 弁護士に相談する
- 契約書を確認する
- 相手方と交渉する
- 弁護士が代理で交渉する
- ADRで解決をはかる
- 訴訟で解決をはかる
トラブルの証拠を残す
トラブルが発生したら、トラブルの証拠を残します。証拠がなければ、相手方との交渉が難航する可能性があるためです。
また、訴訟では証拠が非常に重視されるため、十分な証拠がなければ最終的に訴訟に発展した際に主張が通りづらくなるおそれも生じます。
弁護士に相談する
トラブルの証拠を残したら、弁護士に相談します。相談先には、工事や不動産に関する法務に強い弁護士を選ぶとよいでしょう。工事に関するトラブルについて相談できる弁護士をお探しの際は、たきざわ法律事務所までご相談ください。
契約書を確認する
弁護士とともに、工事に関する契約書を確認します。契約書に定めがあれば、原則として、その定めが法令に優先して適用されるためです。
相手方と交渉する
トラブルの内容や契約書の内容などを踏まえて具体的な対応方法を決めたら、弁護士からの助言をもとに相手方と交渉します。
はじめから弁護士が代理で交渉することもできるものの、相手方と今後も取引関係を継続したいなど可能な限り円満な解決を希望するのであれば, まずは当事者間で交渉するとよいでしょう。
弁護士が代理で交渉する
当事者間では交渉がまとまらない場合や、相手方と取引関係を継続する予定がない場合には、弁護士が代理して相手方と交渉をします。
なお、当事者間では交渉がまとまらない場合や連絡を無視する場合であっても、弁護士が代理することで交渉が成立するケースは少なくありません。弁護士が介入することは、この時点で交渉がまとまらなければ訴訟などに発展するという暗黙のメッセージとなるためです。
ADRで解決をはかる
弁護士が代理しても交渉がまとまらない場合、ADRで解決をはかります。ADRとは「裁判外紛争解決手続」であり、裁判外で簡易迅速な解決を目指す手続きです。
調停やあっせん、仲裁がこれに該当し、いずれも調停委員などの第三者が両当事者の意見を調整して合意形成を目指します。ADRでは裁判所や調停委員などが結論を下すわけではなく、成立させるには両当事者の合意が必要です。
なお、必ずしもADRを介さなければならないわけではありません。そもそも相手方と連絡が取れなくなっているなどADRを経ても解決に至る可能性が薄いと考える場合などには、ADRを経ることなく初めから訴訟を申し立てることも可能です。
訴訟で解決をはかる
ADRを経ても解決に至らない場合や、ADRを経ても解決に至る可能性が低いと考える場合には、訴訟を申し立てて解決をはかります。訴訟とは、裁判所に結論を下してもらう手続きです。
裁判所が下した結論(判決)に不服がある場合は、判決の送達日の翌日から2週間以内であれば控訴ができます。いずれの当事えも控訴することなく控訴可能期間を経過すると、判決が確定します。確定した判決には、両当事者が従わなければなりません。
【工事代金の未払いトラブル】元請・下請間でトラブルが生じた場合の対処法
工事代金の未払いであれば、通常のトラブルよりも簡易的な方法で解決をはかれる可能性があります。ここでは、工事代金の未払いトラブルの一般的な対処法を解説します。
- 弁護士に相談する
- 契約成立の証拠を探す
- 弁護士から内容証明郵便で請求する
- 支払い督促を申し立てる
- 訴訟を提起する
- 強制執行する
弁護士に相談する
工事代金の未払いトラブルでお困りの際は、まず弁護士へご相談ください。弁護士に相談することで、具体的な状況に応じた解決策が検討できます。
工事代金の未払いトラブルでお困りの際は、たきざわ法律事務所までご相談ください。
契約成立の証拠を探す
工事代金の未払金を回収するには、契約が成立した旨の証拠や代金について合意した旨の証拠が必要です。契約書があれば、原則として契約書がこれに該当します。
契約書がない場合は、相手方から届いたFAXや相手方とやり取りしたメール、LINEなどSNSの履歴などを組み合わせて証拠を積み上げます。
弁護士から内容証明郵便で請求する
続けて、弁護士から相手方に未払いとなっている工事代金の支払いを求めます。この請求は、内容証明郵便で行うことが多いでしょう。内容証明郵便とは、いついかなる内容の文書が誰から誰に送られたかを、日本郵便株式会社が証明するサービスです。
内容証明郵便は訴訟の準備段階で用いられることが多いため、相手にプレッシャーを与える効果も期待できます。相手方が、訴訟などに発展して大ごとになる事態を避けたいと考える場合、この時点で支払に応じて解決に至る可能性があります。
支払い督促を申し立てる
内容証明郵便を送っても相手が未払い金の支払に応じない場合、支払い督促を申し立てます。
支払い督促とは、支払うべき金銭などを支払わない相手に対して、裁判所から督促をしてもらう手続きです。支払督促では一般的な訴訟と比較して簡易迅速な解決が期待でき、原則として裁判所に出向く必要もありません。
裁判所による審査後、支払督促が発付されると、裁判所から債務者(支払うべき工事代金を支払っていない相手)に対して支払い督促の正本が送達されます。
訴訟を提起する
支払い督促に対して、相手方から異議が申し立てられる場合があります。その場合は、通常訴訟へと移行します。
また、契約が成立したことや工事代金について合意をしたことを示す十分な証拠がない場合には支払い督促が使えないため、この場合ははじめから訴訟の提起を検討することとなるでしょう。
訴訟では、裁判所が諸般의事情をもとに、債務の有無や支払い義務の有無などについて判決を下します。先ほど解説したように、確定した判決には両当事者が拘束されます。
強制執行する
支払い督促がなされたり、訴訟により債務を支払うべきとの判決が下ったりしても、なお相手方がなお支払に応じない場合もあります。この場合は、強制執行へと移行します。
強制執行では、裁判所が相手の資産や債権などを差し押さえ、工事代金などの未払金を強制的に取り立てます。
元請・下請間のトラブルでお困りの際はたきざわ法律事務所までご相談ください
元請・下請間のトラブルでお困りの際は、たきざわ法律事務所までご相談ください。ここでは、当事務所の主な特長を4つ紹介します。
- 不動産法務に特化している
- フットワークが軽い
- 難しい言葉を使わない
- 状況に応じた最適な解決策を提案する
不動産法務に特化している
たきざわ法律事務所は、不動産法務に特化しています。工事に関する元請・下請間のトラブルについても豊富なサポート実績を有しているため、的確な解決策の提案が可能です。
フットワークが軽い
たきざわ法律事務所の弁護士は比較的年齢が若く、フットワークの軽さを自負しています。「できるだけすぐに相談したい」などのご要望にも可能な限りお応えするため、ご希望がある際はお気軽にお伝えください。なお、顧問契約をいただいたクライアント様には、優先的なサポートが提供できます。
難しい言葉を使わない
たきざわ法律事務所は、できるだけ難しい言葉を使わないよう心掛けています。そのため、ご相談をいただくことで、「まず何をすべきなのか」や「まず何を検討すべきなのか」などの見通しを立てやすくなります。
状況に応じた最適な解決策を提案する
たきざわ法律事務所は一定の型に当てはめるのではなく、個々の状況に応じた最適な解決策を提案しています。その成果もあり、「相談してよかった」「依頼してよかった」というありがたいお声を数多くいただいています。
元請・下請間のトラブルに関するよくある質問
最後に、元請・下請間のトラブルに関するよくある質問とその回答を2つ紹介します。
工事請負契約書がなくても、請負代金は請求できる?
工事請負契約書がなくメールやFAXなどだけの取り決めであっても、原則として請負代金は請求できます。請負契約は、たとえ口頭であっても成立するためです。
ただし、工事代金が未払いとなって裁判上などで請求をする場合、契約書がなければ「契約が成立していた」ことを証明するハードルが高くなります。また、建設業法上でも工事請負契約の作成は義務付けられています。
そのため、可能な限り工事請負契約を作成すべきでしょう。
元請会社とトラブルになったら、誰に相談すればよい?
元請会社とトラブルになった場合には、弁護士にご相談ください。
たきざわ法律事務所は工事や不動産に関するトラブルについて豊富なサポート実績を有しています。お困りの際は、当事務所までお気軽にご相談ください。
まとめ
元請・下請間で生じやすいトラブルを紹介するとともに、工事に関するトラブルを避ける対策や、工事でトラブルが生じた場合の対処法などを解説しました。
元請・下請間で生じやすいトラブルとしては、工事代金の未払いに関するトラブルや追加工事に関するトラブル、解除に関するトラブルなどが挙げられます。工事に関するトラブルを避けるには、契約書をきちんと取り交わしたうえで、追加工事が発生した際はその都度書面で改訂後の金額などを取り決めるとよいでしょう。
工事に関してトラブルが発生したら、早期に弁護士にご相談ください。弁護士に相談することで、状況に応じた的確な対応策を講じやすくなるでしょう。
たきざわ法律事務所は不動産に関する法務に精通しており、工事に関するトラブルについて豊富なサポート実績を有しています。工事に関してトラブルが発生してお困りの際は、たきざわ法律事務所までお気軽にご相談ください。



