たきざわ法律事務所

インターネット上の誹謗・中傷案件について(削除編)

この記事を書いた弁護士は…

 

インターネット上で受けた誹謗・中傷への対応方法は、その書き込みを削除したいのか、それとも書き込みをした人を特定したいのかによって異なります。

 

今回は、インターネット上の誹謗・中傷を削除するための一般的な手続きの流れをご紹介します。

 

書き込みを削除する方法

書き込みの削除が目的であれば、そのウェブサイトを管理している会社または個人に、削除を要求することになります。

多くのサイトでは、運営主体の連絡先やその他情報がウェブサイトに掲載されているため、

 

①サイトの運営者と直接交渉する

②サイトの削除依頼フォームを利用する

③送信防止措置依頼書を使用する

④削除を求める仮処分を申し立てる

⑤削除を求める訴訟を提起する

 

といった方法を取ることができます。

対応方法ごとの特徴

削除までにかかる期間や費用等は、方法ごとに異なります。

ご依頼頂いた際には、サイトの特徴も考慮しつつ、最も依頼者様のご希望にかなう方法を選択させていただきます。

 

次に対応方法ごとの特徴を、大まかに解説します。

①~③は裁判所を介さない方法

①サイトの運営者と直接交渉する

②サイトの削除依頼フォームを利用する

③送信防止措置依頼書を使用する

 

これらは、どれも比較的安価な対応方法です。その反面、強制力はないため書き込みが削除されるかどうかはあくまで相手の出方次第になってしまいます。

 

また、削除依頼がすべて公開されてしまう掲示板の場合、削除依頼をすることがかえっていわゆる「炎上」状態に油を注ぐことになりかねません。

 

反対に、独自ポリシーに基づいて削除依頼に積極的に対応するサイトの場合、まずこれらの手段を試すことで時間や費用をかけずに事態を解決することができるでしょう。

④と⑤はどちらも裁判手続き

④削除を求める仮処分を申し立てる

⑤削除を求める訴訟を提起する

 

これらは、どちらも裁判手続きであるという点では同じです。しかし時間や費用、立証責任がどちらにあるか等の点で異なります。

 

例えば仮処分を選択する場合、国内サイトであれば2,3週間程度で手続きが完了するのに対し、訴訟を提起した場合は数か月から数年という長い期間をかけて削除を目指すことになります。

 

金銭面では、仮処分の場合は申し立てに際して担保金(30~50万円)というものを別途提供しなければなりません。また、立証責任の点では、訴訟を提起した場合、相手方が主張しなければならない「書き込みが違法にならない事情」がないことを、こちら側が主張しなければなりません。

 

仮処分とは文字通り訴訟を提起する前の「仮の処分」であるため、他の案件であれば仮処分のあとに訴訟の提起をしなければいけません。しかし、インターネット上の誹謗・中傷案件ではいったん仮処分がなされると、訴訟の提起はされずに終わることがほとんどです。(例外はあります)

運営者が不明なサイトの場合

また、ホストラブのような一部のサイトでは、管理している会社・個人を公開していない場合があります。そうなると、上記のいずれの手段も取ることができなくなってしまう場合があります。特殊なノウハウを有している事務所でなければ、このようなウェブサイトの管理者を探し出す事はできません。

 

弊所では、ホストラブの運営者の探し方についても熟知しております。

お困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

ここまで、インターネット上で受けた誹謗・中傷を削除するための対応方法について解説してきました。最適な対応は、サイトの特徴やそれぞれの手段ごとにかかる時間や費用によって変わります。

 

相手方がどのようなサイトであれ、ぜひ一度専門家にご相談ください。

 

 

情報技術分野は日々進歩し、法改正や行政の方針が目まぐるしく変化します。そのため、最新の法律を把握しているだけでなく、前提となる技術分野を理解し、行政の実際の規制運用にも精通している必要があります。

 

 

新しい技術分野はビジネスにとってはブルーオーシャンですが、同時にまだ法の運用が定まっておらず裁判例の集積がない地雷原でもあるのです。ビジネスチャンスを逃さないためにも、迅速かつ的確な対応をする必要がございますので、まずは相談ください。

 

 

 

この記事を書いた弁護士は…