たきざわ法律事務所

別居中の不貞行為に慰謝料請求はできる?できる・できないケースを弁護士が解説

この記事を書いた弁護士は…

 

 

 

 

 

 

不貞行為は、原則として慰謝料請求の原因となります。では、別居中の配偶者が不貞行為に及んだ場合であっても、慰謝料請求はできるのでしょうか?

 

また、別居中の不貞行為について慰謝料請求をする場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか?今回は、別居中に夫が不貞行為をした場合を前提として、慰謝料請求について弁護士がくわしく解説します。

 

不貞行為で配偶者に慰謝料請求をする要件

 

不貞行為をした配偶者に慰謝料請求をするには、どのような要件を満たす必要があるのでしょうか?はじめに、不貞行為を理由に慰謝料請求をするための要件を解説します。

 

要件1:不貞行為に該当すること

 

1つ目の要件は、「不貞行為」に該当することです。不貞行為とは、性的関係をともなう不倫を指します。

 

そのため、慰謝料請求をするためには「2人きりで食事をしていた」「キスをしていた」などの証拠だけでは不十分であり、性的関係があることを示す証拠がなければなりません。

 

要件2:不貞行為の前に夫婦関係が破綻していないこと

 

2つ目の要件は、不貞行為より前に夫婦関係が破綻していなかったことです。不貞行為の前から夫婦関係がすでに破綻していたのであれば、不貞行為によって夫婦関係が破綻したとはいえないためです。

 

夫婦関係が破綻していたか否かの判断材料の一つに、同居の有無が挙げられます。そのため、夫婦の別居中に不貞行為がなされた場合、この要件を満たせずに慰謝料請求ができないかもしれません。これについては、次でくわしく解説します。

 

別居中の不貞行為で慰謝料請求ができるケース

 

別居中の不貞行為であるからといって、必ずしも慰謝料請求ができないわけではありません。では、別居中の不貞行為であっても慰謝料請求ができるのは、どのようなケースなのでしょうか?ここでは、慰謝料請求が認められる可能性が高いケースを紹介します。

 

離婚を前提としない一時的な別居である場合

 

離婚を前提としない一時的な別居である場合には、夫婦関係が破綻しているとはいえず、不貞行為について慰謝料請求ができる可能性が高いでしょう。

 

たとえば、仕事の都合で一時的に単身赴任をしている場合や、親の介護のために一時的に実家に戻っている場合などがこれに該当します。

 

別居期間が短い場合

 

別居期間が短い場合は夫婦関係が破綻しているとまではいえず、不貞行為について慰謝料請求できる可能性が高いでしょう。たとえば、夫婦喧嘩の末に一時的に別居をしているものの離婚を前提とはしておらず、別居期間も1年や2年程度の短期である場合などがこれに該当します。

 

相手方の一方的な別居である場合

 

別居期間中であっても、不貞行為をした夫が一方的に家を出ていった場合には、不貞行為による慰謝料を請求できる可能性が高いでしょう。このような場合にまで慰謝料請求ができないとなれば、残された家族にとって酷であるためです。

 

ただし、夫が一方的に家を出たのがきっかけであったとしても長年にわたって妻が連れ戻すなどしなかった場合には、妻もその状況を受け入れていたとして夫婦関係が破綻していたと判断される可能性もあります。

 

家族間での頻繁な交流がある場合

 

別居をしていても家族間に頻繁な交流がある場合には、不貞行為について慰謝料請求できる可能性が高いでしょう。このような状況では、夫婦関係が破綻しているとはいえないためです。

 

別居前から不貞行為が行われていた場合

 

慰謝料請求をする時点では別居中であったとしても、別居前から不貞行為がなされていた場合には、慰謝料請求ができる可能性が高いでしょう。この場合には、夫婦関係が破綻する以前から不貞行為が行われていたこととなるためです。

別居中の不貞行為で慰謝料請求が難しいケース

 

すでに夫婦関係が破綻している場合、不貞行為についての慰謝料請求は困難です。ここでは、別居中の不貞行為について慰謝料請求が難しい主なケースを2つ解説します。

 

別居期間が長期に及んでいる場合

 

1つ目は、単身赴任などやむを得ない事情があるわけではないにもかかわらず、夫婦の別居期間が長期に及んでいる場合です。

 

夫婦関係が破綻していると推定される別居期間に明確な基準はないものの、おおむね3年から5年程度が目安となることが一般的です。

 

離婚を前提とした別居である場合

 

2つ目は、離婚を前提とした別居である場合です。

 

別居中でありすでに離婚へ向けた合意もできており、養育費の額などの条件面を調停で詰めている段階である場合などには夫婦関係が破綻していると考えられ、不貞行為をしても慰謝料請求ができない可能性があります。

 

ただし、夫婦関係が修復される可能性がある場合には破綻しているとまでは認められず、慰謝料請求ができる場合もあります。そのため、慰謝料請求をしたい妻としては、諦めずに弁護士へ相談するとよいでしょう。

 

一方で、「離婚調停中であれば不貞行為をしても絶対に慰謝料請求をされない」ということではないため、誤解のないようご注意ください。

 

最適解を提案します

 

最適解を提案します

 

 

別居中の不貞行為で慰謝料請求をする際の注意点

 

別居中の不貞行為について慰謝料請求をしたい場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?ここでは、主な注意点を2つ解説します。

 

証拠が集めにくいことがある

 

不貞行為について慰謝料を請求するには、不貞行為の証拠が必要です。しかし、別居中である場合、不貞行為の証拠を集めることは容易ではないでしょう。

 

別居していれば夫のスマートフォンを確認できる機会も少ないうえ、帰宅が遅くなる日や外泊日の把握もできず不貞行為の相手と会う日を想定することも難しいためです。

 

そのため、別居中の不貞行為について慰謝料請求をしたい場合には、手掛かりとなる情報や証拠は漏れなく保存したうえで、お早めに弁護士へご相談ください。

 

相手から夫婦関係が破綻していたと主張される可能性がある

 

不貞行為について慰謝料請求をした場合、夫側から夫婦関係はすでに破綻していたと主張されるリスクがあります。

 

たとえば、妻としては夫の仕事の都合で別居していると考えていたにもかかわらず、夫から夫婦関係の破綻を主張される場合などが想定されます。

 

別居中の不貞行為について慰謝料請求をする場合には、このような主張への対応も検討しておかなければなりません。

 

最適解を提案します

 

最適解を提案します

 

 

別居中の不貞行為を弁護士に相談する主なメリット

 

別居中の不貞行為について慰謝料請求を希望する際は、無理に自分で対応しようとせず、弁護士へご相談ください。では、弁護士に相談するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?ここでは、弁護士に相談・依頼する主なメリットを5つ解説します。

 

証拠の収集についてアドバイスを受けられる

 

別居中の不貞行為について慰謝料請求をする場合、証拠の確保がカギとなります。しかし、証拠を集めようにも、何をどのように集めればよいか分からないことも少なくないでしょう。

 

無理に証拠を確保しようとして不正アクセスや住居侵入などの違法行為に手を染めれば、夫側から反対に慰謝料を請求されたり刑事告訴されたりするおそれが生じます。

 

早期に弁護士へ相談することで、そのケースにおける証拠収集について具体的なアドバイスを受けることが可能となります。

 

適正な慰謝料額を把握しやすくなる

 

不貞行為についての慰謝料に決まった相場はなく、また決まった計算式などがあるわけでもありません。別居中の不貞行為による慰謝料の額は、状況や行為の悪質性などを踏まえ、個々のケースごとに判断されるためです。

 

そのため、慰謝料請求をしようにも目安となる金額がわからず、困惑してしまうことも少なくないでしょう。

 

弁護士へ相談することでそのケースにおける適正な慰謝料額が把握でき、請求するか否かの検討や請求の進め方などの検討をすることができます。

 

離婚以外の方法のアドバイスも受けられる

 

別居中の夫が不貞行為に及んだ場合、慰謝料請求をして離婚することだけが正解とは限りません。離婚をしないまま別居を続け、適正な婚姻費用を請求し続けることも有力な選択肢となります。

 

婚姻費用とは、夫婦のうち収入の多い側がもう一方に対して定期的に支払う生活費です。

 

夫婦は相互に、相手方に自身と同程度の生活を送らせる義務(「相互扶助義務」といいます)を負っています。そのため、婚姻期間中である限り、収入の多い側がもう一方に対して婚姻費用を渡さなければなりません。

 

そこで、不貞行為に対して慰謝料を請求したうえで、今後も別居を続けて婚姻費用を受け取り続けることも一つの選択肢となります。弁護士に相談することでその状況を踏まえ、離婚以外の選択肢についてもアドバイスを受けることが可能です。

 

相手方への請求や交渉を任せられる

 

不貞行為の証拠がつかめても、自身で慰謝料請求をすることに二の足を踏むことも多いでしょう。特に、夫が雄弁である場合や高圧的である場合などには、自身で請求しても夫に丸め込まれてしまうかもしれません。

 

弁護士に正式に依頼した場合には、弁護士が代理士で請求や交渉を行うため安心です。

 

調停や裁判になっても安心して対応できる

 

別居中の不貞行為を夫側が認めなかったり慰謝料の支払いを拒否したりする場合、調停や裁判へと移行することになります。

 

調停とは、裁判所で行う意見の調整手続きです。裁判所の調停委員が当事者双方から交互に意見を聞く形で、話し合いが進行します。

 

調停を経ても双方の合意がまとまらない場合には、裁判へと移行します。裁判では、諸般の事情や証拠などを踏まえ、裁判官が結論を下します。

 

 

弁護士に依頼した場合には、調停や裁判となっても全面的にサポートを受けられるため、安心して請求に臨みやすくなります。

 

 

最適解を提案します

 

最適解を提案します

 

別居中の不貞行為への慰謝料請求はたきざわ法律事務所へお任せください

 

別居中の不貞行為について慰謝料請求をご検討の際は、たきざわ法律事務所へお任せください。最後に、たきざわ法律事務所の主な特長を3つ紹介します。

 

難しい言葉を使わずにアドバイスする

 

弁護士へ相談する際、「難しい言葉を並べられて理解できなかったらどうしよう」などと、不安になる場合もあるようです。たきざわ法律事務所ではどなたにもわかりやすく難しい言葉を使わずにアドバイスをするため、そのような心配はいりません。

 

状況に応じた最適な解決策を提案する

 

先ほど解説したとおり、不貞行為に対する解決策は、1つだけではありません。慰謝料請求をして離婚をするという方法のほか、離婚をせず婚姻費用を受け取り続けることも有力な選択肢となるでしょう。

 

たきざわ法律事務所では、ご相談者様のご希望や状況を踏まえ、最適な解決策をご提案します。

 

フットワークの軽さを自負している

 

別居中の不貞行為について相談したい場合、急いで相談したい場合もあるでしょう。

 

たきざわ法律事務所ではフットワークの軽さを自負しており、可能な限りご要望にお応えします。「すぐに相談したい」「夜間しか相談に出向けない」などご要望がある際は、予約の際にお気軽にお伝えください。

 

まとめ

 

別居中の不貞行為に対する慰謝料請求の要否や、慰謝料請求をする際の注意点などを解説しました。

 

不貞行為は慰謝料請求の原因となり、別居中であるからといって請求できなくなるわけではありません。ただし、別居期間が長期にわたっているなど夫婦関係が破綻していると考えられる事情がある場合には、慰謝料請求ができなくなります。

 

夫婦関係が破綻していると判断される別居期間に明確な基準はないものの、3年から5年程度が目安となるでしょう。別居中の不貞行為について慰謝料請求をご検討の際は、早期に弁護士へ相談のうえ具体的な戦略を練ることをおすすめします。

 

たきざわ法律事務所では夫婦間トラブルの解決に力を入れており、不貞行為の慰謝料請求についても多くの実績があります。別居中の不貞行為について慰謝料請求をご検討の際は、たきざわ法律事務所までお気軽にご相談ください。状況に応じて、最適な解決策をご提案します。

 

 

 

 

この記事を書いた弁護士は…